第487話 ジブラルタル城完成式1603年3月24日

1603年3月24日



史実世界線ではこの日、徳川家康が征夷大将軍に任じられて江戸幕府が開幕する日なのだが、俺がいるこの時間線では全然違う意味を持つ人なる。


ジブラルタル城の完成式典を行った。


各国に招待状を送ると、友好的関係を結んでいる民族ハワイのプルルンパ大王の使者や、友好国であり皇帝が俺の側室であるインカ帝国皇帝ファナ・ピルコワコの使者・アスティカ帝国の使者の他、不可侵条約を締結しているイギリス帝国のイギリス海軍提督フランシス・ドレークと、オスマントルコ帝国次期皇帝アフメトⅠ世、そして驚くことにバチカンから使者はルイス・ソテロ、そして、その連れに一人の中年の男性がいた。


さらに神聖ローマ帝国ルドルフⅡ世の使者・ルーラント・サーフェリーも来ている。


当然だがイスパニア帝国の使者は来ていない。


もちろんこの完成式に暗殺などという野暮ったいことを企てていないと招待状に書いている。


信じるか信じないかは相手次第だが、どうやら友好国以外ではオスマントルコ帝国以外は暗殺されても良いくらいの身分の者を使者にしたようだ。


オスマントルコ帝国とは貿易を通じてそれなりの関係性を築いてきたので、王子自ら出向いてきたそうだ。


それだけ日本国の力が魅力的で接近したいのだろう。


他にも地中海を中心に生活する少数民族の使者も来ていた。


地中海からの玄関口である鉄朱塗絡繰栄茨万華里温残酷天使門で、すべての者が立ち止まり口を大きく開け停止していた。


あまりの驚きで思考力低下、語彙力も低下していたようだ。


城内の庭を通り一度東郭から一度、城の外にわざと案内する。


そして、大手門の外に椅子を並べてあり、そこで待機して貰った。


まだ大手門と天守には黒い幕が掛けてい有り全貌は見えない。


「えぇ、この度はわざわざ来ていただきありがとうございます」


と、挨拶をする。


うちの家臣達がそれを通訳する。


「これより御覧いただくのは我が国、日本国の技術の推移を集めた物。日本国は武力だけでなく、芸術にも力を入れております。東国の小さな島国、成り上がりの国家と侮るなかれ、いざ」


俺は軍配を高々と上げると屋根に上って待っていた忍びの家臣達が幕を切り、下で待っていた家臣達が一気に引っ張り幕を取り払った。


大手門・世界平和祈願美少女微笑美門。


そして、ジブラルタル城天守・萌萌天守が一気に姿を現した。


その除幕をお初が俺のスマートフォンで動画を撮影していた。


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


硬直する来客。


その姿を見て織田信長は満足げな顔をしている。


「ぬはははははははは、貴公達の国の文化より劣っているか?」


そう言うと、自然と拍手が起きていた。


中には涙する者さえいた。


萌萌美少女の勝利を確信した。


「ミケランジェロの再来は本当だったのか」


「レオナルド・ダ・ビンチの再来か」


「ラファエロの再来か」


「いや、そんな者達よりも遙かに前衛的、これはどういうことだ・・・・・・」


そんな声が次々に聞こえてきた。


俺が・・・・・・いや、21世紀の日本萌文化はルネサンスの三大巨匠に勝ったのだ。


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