第471話 開戦
1601年2月1日 大西洋ポルトガル沖約100キロ
ジブラルタル海峡を目指している俺の艦隊の前に150ほどの船団が見えてきた。
旗はいろいろ見える。
イスパニア帝国を主軸とする同盟は崩れてはいなかったわけだ。
「敵艦隊発見」
望遠鏡で警戒をしていた東住美帆が言う。
「戦闘開戦旗上げよ、砲撃陣形に入る」
最大戦力である蒸気機関外輪式推進装置付機帆船型鉄甲船戦艦の先頭を二番艦・不動明王・船長・柳生宗矩、その右後ろを三番艦・摩利支天・船長・前田慶次、左後ろを四番艦・毘沙門天・船長・真壁氏幹、三角に配置、その後ろを俺が乗る旗艦・武甕槌とする。
新型南蛮型鉄甲船・25隻をその後ろで横3列に広げる。
新型南蛮型鉄甲船・5隻を護衛とし高速輸送連絡船・15隻はずっと後ろ。
その後方艦隊の指揮官は蒲生氏郷だ。
主戦闘艦隊より蒲生氏郷を後ろに配置することで、主戦闘戦艦艦隊を囲まれるのを防ぐ陣形。
今回、前田利家はマイアミ城留守居役にしている。
もしもの時の逃げる準備。
「敵艦隊、主砲射程距離に入ります」
東住美帆が主砲の射程距離を計算している。
「狙い定め、前方主砲撃て~~~」
4隻×6砲が開戦の初撃の火蓋を切った。
24砲の爆音に海は震える。
「13弾命中」
東住美帆が望遠鏡を覗いて叫ぶ。
「このまま相手と距離を保ち砲撃を続ける。無駄玉を撃つな、狙って撃て」
他の戦艦にはその指示は手旗信号で伝えられる。
こちらは相手より射程距離が圧倒的に長い。
その優位性で砲撃する。
相手に突っ込む事などしない。
「砲撃準備完了」
東住麻帆がアームストロング砲の状況を知らせて来る。
「撃て~」
24砲の爆音に再び海を震えさす。
「18弾命中、敵戦艦爆発炎上してます。陣形崩れバラバラになり出してます」
南蛮型鉄甲船25隻は3っつのグループに分けてある。
Champion of the sea HITACHI号・船長・佐々木小次郎・9隻
Champion of the sea TSUKUBA号・船長・飛猿佐助・8隻
Champion of the sea KASHIMA号・船長・柳生利巌・8隻
「佐々木小次郎隊、右側より包み混むように遠回りに前進、猿飛佐助隊、左側より同じく包み混むように前進、射程距離に入り次第砲撃開始、蒸気機関船は後方より引き続き砲撃を続ける。柳生利巌は後方に回り込んで囲んで来る敵艦隊がいないか注意」
手旗信号で離れている船に伝言形式で伝達する。
1時間後敵艦隊を取り囲む陣形は完成した。
「殲滅砲撃開始」
取り囲んだ味方の船は次々とアームストロング砲を砲撃する。
勝敗はあっけなく決まった。
今回は最新鋭アームストロング砲の射程距離、そして、見方戦艦が多いことで後ろを取られるような失敗はしなかった。
純粋な戦艦同士の戦いなら負ける要素は極めて少ない。
陸への艦砲射撃で弾を少なくしまった前回とは違う。
そして、高速輸送連絡船には補給用も大量に積んである。
今回は同じ過ちを繰り返さないように準備万端。
目指すはジブラルタル湾入り口、サン・ヴィセンテ岬。
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