第469話 最後通牒

 1600年12月


バチカンの使者ルイス・ソテロが帰って六ヶ月が過ぎようとしていた。


マイアミ城の広間に前田利家・蒲生氏郷・前田慶次・真田幸村・柳生宗矩・お初を集める。


佐々木小次郎と真壁氏幹は近隣海域の監視に当たっている。


「バチカンの返答の約束の期日は過ぎた。よって、最後通著を送り開戦する。信長様がこちらに帰ってこないという事はすべてを任せるという事と判断するが良いな」


と、俺が言うと前田利家が、


「はい、外国政策はすべて任せていると私も聞いているので大丈夫でしょう」


と、同意した。


「開戦はよろしいのですが、常陸様には後方待機で指揮はこの蒲生氏郷にお任せいただけないでしょうか?」


と、蒲生氏郷は言う。


「俺の指揮ではやはり駄目か?」


前回の失敗がある。


「駄目というわけではありません。総大将が前に行きすぎなのです。総大将は後ろで指示を出すべき物。そして、窮地には逃げる物」


・・・・・・。


「うん。その逃げる覚悟は前回なかったが今は違う。俺は俺にしかない知識がある。俺の命を守るのではなく、その知識を守る覚悟は決めた。年老いる日までこの知識を使い続けると。その為に生き抜くとは決めた」


「なら良いのですが」


と、蒲生氏郷はその後の言葉の後を続けなかった。


「大丈夫にございます。もしもの時には私が縛り付けてでも逃げさせますから。小滝特性しびれ薬がありますから」


お江、小滝になんていう物を作らせるんだよ。


今後の食事が怖くなるだろ。


小滝、そんじょそこらの薬師より知識持っているにまで成長しちゃっているし、インカ帝国からもなんか薬草を手に入れてるみたいだし、コカとか使わないよね?大丈夫だよね?


「最後通著はオスマントルコ帝国から通商を求めに来ている商人に渡し年明け2月を待ってヨーロッパ諸国と開戦する。準備滞りなく進めてくれ」


「はっ、かしこまりました」



『宣戦布告通知書


貴国は我が国の王の息子であり、友好的使者であった織田信雄を磔にした。


貴国は他国を滅亡に追いやる侵略をした。


貴国は他国の財産を我が物にしようと殺戮を繰り返した。


貴国は他国に文化の押しつけをし、伝統ある文化を消そうとした。


日本国はイスパニア帝国皇帝、また高山右近の首を渡すことを条件に和睦、話し合いの準備は出来ていたが三ヶ月たっても返答はなかった。


よって、1601年1月31日までに返答なき場合、1601年2月1日を持って開戦する


                            日本国・平朝臣右大臣黒坂常陸守真琴』

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