第450話 新戦艦・武甕槌練習航海~樺太その6~
チンチンの皮を剥く剥かないの風呂の大騒ぎで緊張がほぐれた二人
男親子なんてそんな物だ。
そんなくだらない事で時間と言う距離は一気に縮まる。
親父(オヤジ)と、心の距離を感じていた中学時代、俺の部屋のエロ本が見つかった事があるが、「黒ギャルは言いよな。まぁ~なんた、見えるとこには置くな」そう、淡白に注意した親父とは心の距離は感じなくなった物だ。
俺の子二人を連れ、次の日は新戦艦・武甕槌で樺太とユーラシア大陸を隔てる海峡を北上した。
男利王と須久那丸は初めて見る蒸気機関の推進装置に目を輝かせ食い入るように見ていた。
時代はちがくてもやはり男は機械仕掛けは大好きなのだ。
ボイラーの石炭をくべるところでも熱い熱いと言いながらもスコップで石炭をくべるのを体験してみていた。
「いずれは、この蒸気機関で陸を走る車を作るつもりだが、今は海路、船を優先する」
「え?父上様、船が陸を走るのですか?」
と、須久那丸
「馬車と言ったほうが良いな。馬の代わりに蒸気機関で車輪を回す」
「凄い凄い、完成したら乗りたいです」
と、男利王。
「あぁ、乗らせてやる。完成したら日本全国走らせたいな」
「父上様の夢は大きいでございます」
「夢は大きく持て、そして努力しろ、さすれば叶う」
「はい」
「はい」
そう二人は返事をした。
この航海は二人に蒸気機関を見せることだけが目的でなく、大陸と一番近い土地で要塞を作るための下見を兼ねている。
樺太を見ると海岸線には大きな熊が鮭を狩っている。
冬眠までの充分な栄養補給が出来なかったのだろうか?
そんな熊を見ながらポキビと呼ばれる大陸と樺太との一番近い土地に来る。
「この地に要塞を造る。資材は海上輸送し、陸路は使わず作れ、陸は動物達の保護区だからな」
「はっ、かしこまりました」
と、いっしょに乗船している北条の家臣が返事をした。
流氷や小船でも渡れそうな海峡の地に防衛施設を造る。
これは将来を見通せばやらなければならないこと、日本列島は北は樺太から沖縄までが日本列島なのだ。
それは絶対に守らねばならない。
その為の布石。
ロシアに渡すなどと言うことがあってはならないのだ。
そんな航海を一泊二日をかけ港に戻ると子供達と別れの時がきた。
「父上様」
「本当はいっしょ行きたいです」
と、言う2人を抱きしめ鶴美とトゥルックに託す。
「また、来る。樺太をたのんだぞ」
そう言って俺は樺太を出航して常陸に戻った。
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