第448話 新戦艦・武甕槌練習航海~樺太その4~
樺太城に入ると慌ただしく鶴美とトゥルック、そして成長した次男・男利王(おりおん)が六男・須久那丸(すくなまる) 母親たちの後ろに隠れヒョコヒョコと顔を出して覗いていた。
「おっ、トゥルックも来ていたのか?」
「はい 須久那丸が 来てから 男利王が意気投合 しまして ちょくちょく 遊びに」
DNAは自然と呼び寄せたのだろうか?
母親は違えど俺の息子達、兄弟だ。
仲良くやっているなら言うことがない。
「男利王、須久那丸、父だぞ~」
恥ずかしがる二人に近付くと、もぞもぞしている。
そんな二人の金玉を鷲掴み。
「ほら、シャキッとしろ、もぞもぞしてないで」
「ぎゃ~父上様、何するんですか」
と、須久那丸は幼少期を茨城城で過ごしただけありすぐに反応してくれたが、男利王は泣きべそをかき始めていた。
「父上様、男利王兄を虐めないでください」
「いや、これはともだちんこと言って挨拶のつもりだったのだがな」
「そんな挨拶がありますか」
と、一歳下の須久那丸のが利発だった。
「そのへんに しといて あげて下さい」
と、トゥルックも笑っている。
「今宵は泊まりますよね?」
と、鶴美。
「ああ、数日泊まってひさびさに樺太を見たい。寒いがこの期を逃してしまうといつ見れるかわからないからな」
「わかりました。今日はひさびさにトドの金玉料理を用意させますか」
と、鶴美が笑うと、お初が
「もう、精力は付けなくて良いから」
と、お初が苦笑いをしていた。
「普通に鱈とか鮭とか食べたいなぁ~」
「はい、わかりました。用意させますね」
海獣の精力にはたして効くのか怪しい金玉料理は回避出来た。
「海豚が今朝届いたので海豚食べます?」
「おっ!いいね~、海豚と牛蒡を味噌で甘辛く煮て欲しいけど出来る?」
海豚と牛蒡の味噌煮は俺の好物の一つなのだ。
「やってみますね」
夕飯には、脂ののった鮭の刺身と白子がいっぱい入った鱈汁、そして希望通りの海豚料理が出て来た。
米も握り飯になり出て来た。
「この米は本土との商い品?」
と鶴美に聞くと、
「少々ずつですが米も収穫出来るようになったのですよ。御主人様の田畑に使う水を温める、風除けを作るなどが効果出て来てます」
「そうか、それは良かった。日本国民全てが飢えない国造りしたいからな、いや~本当に良かった」
樺太の農政改革は着実に実を結んでいるのが夕飯で実感できた。
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