第419話 第四戦グアヤキル城防衛戦
外は大雨が降りしきる、そんな中、グアヤキル城はイスパニア帝国の5万からなる大軍に囲まれていた。
真田幸村、真壁氏幹、伊達政宗を集め指示をする。
対してこちらは織田信長が連れてきた兵士を含めても2000程だ。
インカ人は戦力には数えていない。
連携が取れない状態で人数に入れてしまえば烏合の衆、すぐに混乱し収集がつかなくなり敗北になるからだ。
どのような戦い方をするのかわからないインカ人、19世紀の武器を使う日本軍、16世紀の武器に大軍イスパニア帝国。
前三戦のように火力に物を言わせて戦うのが定石だ。
しかも、火気での攻撃を得意とする星形の陵堡式縄張りと真田流築城術の馬出しや掘りの複雑さを追加し、そしてインカ帝国の石加工技術が合わさった城は未完成ながら堅牢な守りだ。
外にわざわざ出て戦う必要性もない。
同席する織田信長は素知らぬ顔で、俺の試作チョコレートを食べて苦々しい顔をしていた。
「敵はこちらが大砲、鉄砲を使えないと思い込んでいるから大雨を狙って攻めてきたに違いない。慌てずひきつけながらアームストロング砲、リボルバー式歩兵銃で迎え撃つ・・・・・あっいや待て」
相手が必ずしも攻めて来ない可能性もある。
周りを囲んで兵糧責めはいささか厄介だ。
「わざとアームストロング砲、リボルバー式歩兵銃が撃てないよう城壁で兵士たちに装わせよ。真田幸村、城を出て槍、刀、弓矢で戦う素振りを見せて相手を引きつけよ、攻めてきた所を一目散に城に戻りアームストロング砲、リボルバー式歩兵銃を撃て」
そう指示を出していると信長は、
「ははははは、常陸らしい戦い方よのう。弾薬、火薬はぎっしり運んできた。目に物見せてやれ」
と、歯をチョコレートで真っ黒にしながら笑った。
大雨降る中、真田幸村は兵士500を連れて敵前に突っ込む素振りを見せる。
すると、イスパニア帝国は雨の中撃てるように事前に何かで雨から濡れるのを防いでいた火縄銃を発砲してきた。
だが、和式愛闇幡型甲冑(わしきあいあんまんがたかっちゅう)はその球を弾き返す。
しかし、わざとらしく倒れる兵士を引きずりながら城に逃げる素振りを見せ城門は大きく開かれると、イスパニア帝国兵はここぞとばかりに突っ込んできた。
真田幸村達は、掘りに身を隠すと真壁氏幹はアームストロング砲を次々に撃ちはなった。
撃てないものだと思い込んで突っ込んでいたイスパニア帝国兵は慌てふためく。
間髪入れずに掘りに隠れていた真田幸村隊はリボルバー式歩兵銃をイスパニア帝国兵に向かって撃つ。
織田信長はそれを物見櫓から俺と一緒に静かな顔で見ていた。
「未来の知識を活用した兵器に数など関係なしだな」
「はい、イスパニア帝国もまた、インカ帝国・アスティカ帝国などを最初に制したのは数ではなく銃火器の圧倒的火力と鉄製の武具があってこそでしたから。今、うちが使っている銃火器は単純に300年後使われるはずだった兵器、数などは敵ではないですよ。実際、武士の時代が終わる時の最後の戦も、銃火器の優劣は大きく影響しましたから」
「兵器はその後も発展するのか?」
「はい、一発で近江など消えてしまう兵器も作ってしまいましたからね。まるで星が降ってきたかのような爆発をする核爆弾がありますよ。日本はそれを二発撃ち込まれて世界に降伏しましたから」
「そのような未来は儂がなくす、いや、常陸がなくせ。日本国がいつまでもそのような目にあわない強国を造り上げよ」
「はい、そうしたいですね」
そんな会話をしている中、雨がやみ一気に晴れアンデスの山に虹が見える頃にはイスパニア帝国兵は皆地べたに倒れていた。
圧倒的火力の勝利、織田信長はそれに満足そうな顔をしながらただひたすら遠くを見つめていた。
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