第392話 ハワイ日本国領・ラナイ島城

 艦隊は小笠原諸島で補給をしながらハワイへと向かった。


8月末だと言うのに「天は我に味方した」と叫びたくなるくらい良天。


もちろん日本映画不朽の名作の有名シーン「天は我を見放したか!」の、逆バージョンだ。


凍てつく八甲田山ではなく俺は太平洋の中心で叫んでみた。


お初達は冷ややかに見ていた。


元ネタが知らないのだから仕方ないだろう。


台風を覚悟した船出だったのだが有り難い。


艦隊先頭の案内は、淡路丸の森蘭丸。


父島の補給を最後に数日が経過して、ハワイ諸島が目に見えてきた。


ちなみに、羅針盤、望遠鏡などの航海術に必要なものは全て積んでいるので安心して貰いたい。


独り言だ。気にするな。


ハワイ諸島は織田信長が初の海外渡航で一族長であったプルルンパを軍事支援し統一されている。


日本国の属国ではあるが統治権はプルルンパ大王に一任されている。


ちなみに俺の側室ラララとリリリはプルルンパ大王の娘、プルルンパ大王は俺にとっては義父になる。


そんなハワイ諸島だが、ラナイ島だけは織田信長直轄城として島全体を軍事施設てして整備されている。


火山岩を切り出し積まれた高さ3メートルはある城塞、島を一周している。


青々した海に突如として黒く浮かぶ巨大戦艦のようにいくつもの砲台を設置し来る者を寄せ付けぬ雰囲気を出していた。


ラナイ島城代・柴田 勝敏


あの織田信長重臣、柴田勝家の養子だ。


森蘭丸の案内でラナイ島城に寄港し補給と兵達の休息を取る。


ラナイ島城には先に高速輸送連絡船・白虎丸が先回りして連絡はしてあるので補給はスムーズに出来るが、常陸国鹿島城港出発から三週間、休まねば目的地に着いた段階で疲弊し戦闘困難が予想される為、休息も大切だ。


兵士達に3日間の休息を命じるとラララが、


「良い機会なので父に会いませんかですです?」


と、聞いてくる。


断る理由も特にない。


すぐ近くのハワイ島には柴田勝敏のガレオン船で行き来出来るとの事。


休息中の兵士達を使わないなら尚更断る理由もない。


柴田勝敏の配下が出すガレオン船でお初、小滝、ラララと共に向かった。

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