第364話 私は茶々『御神水仕立て御祓い済み御神酒・黒坂』

 真琴が旅立って茨城城の留守を預かる茶々。


まさか、口噛み酒がこんなに売れるとは・・・・・・。


想像をしていなかった。


真琴様に言われて作った生徒たちが作る口噛み酒・・・・・・100本すぐに完売で注文もあり得ないくらいに。


困った。


ん?もしかして口噛み酒ではなくて良いのでは?


生徒たちが鹿島神宮の御神水でごくごく普通に清酒を作れば良いのでは?


この陶器そのものに魅力を感じて買っているのでは?


だったら清酒のほうが発注されてきた量も作れるし、生徒たちの負担も減る。


入れ物も巫女が鈴を持ち神楽を踊る絵にしてしまえば良いのでは?


萌がわからないが、神秘的な巫女ならうちの狩野派絵師集団が書けるはず、真琴様がいない間にそれを産業として整備してしまえば帰ってきても文句は言わないはず。


よし、すぐに改良を開始するわ。


「お江、生徒たちに清酒作りが出来るように手配をして」


「えぇ~、姉上様、あのお酒はマコのお気に入りみたいだよ」


「真琴様の分は私たちが作れば良いではないですか、生徒たちの負担が大きすぎます」


「姉上様がそう言うならそうしますけど良いのかな~勝手に変えて」


「真琴様は私たちと違う価値観がおありなのは、お江も知っていると思います。それを良き方向に補正するのが私たちの役目でもあるのです。ほら、信忠様に京の都から杜氏を送ってもらうように手紙をしたためましたからこれを届けさせてください」


口噛み酒ではなく普通に日本酒を詰めて、『鹿島御神水仕立て御祓い済み御神酒・黒坂』は茶々の狙い通り売れる一大産業品に発展した。


『鹿島御神水仕立て御祓い済み御神酒・黒坂』

『息栖御神水仕立て御祓い済み御神酒・黒坂』

『香取御神水仕立て御祓い済み御神酒・黒坂』

『御岩神社御神水仕立て御祓い済み御神酒・黒坂』

『笠間稲荷御神水仕立て御祓い済み御神酒・黒坂』

『筑波山御神水仕立て御祓い済み御神酒・黒坂』

『大洗御神水仕立て御祓い済み御神酒・黒坂』

『神峰御神水仕立て御祓い済み御神酒・黒坂』

『大宝八幡御神水仕立て御祓い済み御神酒・黒坂』


などなど『御神水仕立て御祓い済み御神酒・黒坂』シリーズ化されヒット商品になる。

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