第326話 伊達政宗の見舞い
俺がちょうど回復したころ伊達政宗が手勢だけを連れ突如馬を走らせ来城した。
広間で面会すると、
「右府様、お身体は大丈夫に御座いますか?」
と、聞いてきた。
俺の家臣には伊達政宗と実の弟の伊達政道がいるのでそこからの情報だったのだろう。
「あぁ、たいしたことはない。もう大丈夫だ」
俺を慕ってくれている憧れの武将・伊達政宗、平成時代にいたころには想像出来ないシチュエーションだ。
「右府様、お腹の具合がよろしくないと聞き熊の胆をいっぱい持ってきました。ついでに熊の手と金玉を乾燥させた滋養強壮に、どうかお使いください」
と、漆塗りの箱に熊何体倒して採取してためたのだろうか?と、言うほど入っていた。
「う、うん、ありがとう大事に使わせて貰うよ」
全部使ったら神○駿河の腕のようになりそうなのでは?と、思わせる。
「お身体お大事にしてください。また、一緒に海の外に出とうございます」
「春にはまた行く予定であるからその時は誘おう」
俺を慕ってくれている伊達政宗。
その慕ってくれている心に返したい気持ちを言葉にだす。
「政宗殿、陸奥の国はと言うか東の海に面している地域はあと数年で巨大な津波が襲う、それに用心し準備されよ」
「右府様、それはどういうことに御座いますか?」
俺は地図を見せ説明する。
「三陸沖で起きる大地震により津波が海を渡って押し寄せてくる、確か俺が発効させている暦で言うと1610年くらいのはずだった、それに備えてくれ」
慶長三陸沖地震、確かな日付は覚えてはいないが南蛮式軍船サン・ファン・バウティスタ号を建造するきっかけになる出来事を俺は覚えている。
「はずだった?不思議な言い回しをするとは、政道から聞いてはおりますが、兄とも父とも慕う右府様のお言葉しかと肝に銘じます」
「住居の移転などする事になると思うが、どうだ、左甚五郎が作ったドーム型住居を多く採用してみては?」
「はい、樺太で見たあの半球体住居は素晴らしいと思います。是非とも、仙台城にも造りたいと思いますが」
「あ~技術だな?金掘り衆を貸していただいたのだから、今度はこちらから大工を貸してあげましょう。是非とも、ドーム型住居を広めてください。最上殿や南部殿にも教えるよう左甚五郎配下を手配しましょう」
「ありがとうございます」
伊達政宗はこの日、茨城城に一泊したあと帰って行った。
この後、伊達政宗は住居移転事業をドーム型住居を造り開始する。
日本の家屋の形が一変していった。
さて、熊の胆嚢は平成時代でも確かに薬に活用されているから効果はあるのだろうけど、金玉はもういらない・・・・・・小糸達に見つかる前に処分を・・・・・・羽柴秀吉に送ってあげよう。
俺は羽柴秀吉に『精力剤になるかもしれないから良かったらどうぞ』
と、手紙と共に送ってあげた。
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