第310話 戦隊ヒーロー・常陸戦隊イバ○イガー

 和式愛闇幡型甲冑(わしきあいあんまんがたかっちゅう)がそろうと、どこかで見たような雰囲気になっていた。


それは日曜日の朝に放送される戦隊ヒーロー物のテレビ番組のようだ。


『常陸戦隊イバ○イガー』


と、叫んで6人列びキメポーズでもしたくなるような状態になる。


せっかくなので整列して、刀、薙刀、火縄銃改を構えてスマートフォンを茶々に渡して一枚写真を撮影して貰った。


茶々はそれが何なのかを知っているので問題ない。


たまたま来ていた狩野永徳は急いでデッサンの下書きをしていた。


それを武丸は喜んで目をギラツかせ見ている。


美少女デザインではないので茶々も、


「父上様達カッコイいですね~」


と、武丸に話しかけていた。


「茶々、樺太に行く準備が整った。再び行くぞ」


「はい、わかっております。今回はお初も付いて行くので大丈夫でしょう」


「え?お初の行くの?」


と、お初を見ると面を額の位置に上げ、


「行くわよ。この甲冑で真琴様の浮気心と戦うんですから」


と、言っている。


「彩華は良いのか?」


「大丈夫、私が預かりますから」


と、茶々が胸を張っていた。


「そうか、話しがついているなら何も言うことはない。茶々、力丸、あとの事は頼んだぞ」


今回は、宗矩、幸村、慶次、、甚五郎、小次郎、お初、お江、桃子、小糸、小滝、鶴美が同行予定。


伊達政宗には声はかけていない。


1591年4月の終わりにいよいよ茨城城を出立しようとしたときに桃子が寝込んでしまった。


「大丈夫か?」


「申し訳ありません。同行は出来ないようです。船旅、長旅にはお腹の子が・・・・・・」


「へ?」


「懐妊致しました」


と、布団から飛び出し抱きついてきた桃子は本当に子供が欲しかったのだろう。


涙と鼻水を流しながら、笑っていた。


「そ、そうか、良かった。六人目になるな。出産にまで帰ってこれるかわかないが体を大事にして、強い子を産んでくれよ」


俺は抱きついてきた桃子の頭を撫でながら抱きしめた。


「御主人様、皆が待っております。私に構わず御出立を無事のお帰りをお祈りいたしております」


と、言う桃子に軽く接吻をして、部屋を出た。


「さぁ~皆野者、北方開発第二段行くぞ~」


と、集まった家臣団に指示を出し茨城城を出立した。

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