第304話 家臣の結婚

 正月は15日まで仕事を休む。


ゆっくり休む。


ただ、ひたすら休む。


茶々の膝枕で休む。


「真琴様、そろそろ宗矩と幸村、政道の縁談を考えてあげたらいかがですか?御自分の側室ばかり増やさずに」


と、俺の頭撫でながら言ってくる茶々。


「あっ、ごめん、まったく気にしてなかったけど、独身だったの?イタタタタ、鷲掴みするのやめて」


俺の頭を鷲掴みする茶々。


俺は家臣の私生活にはまったく不介入だ。


「真琴様、宗矩はあおい、幸村には緑子、政道には学校からしかるべき者を選出して私達の養子としたうえで嫁がせるようにしたいと思いますがよろしいですね?」


「両人がそれを了承するならもちろん許す。俺は茶々との約束通り学校の生徒に恋愛感情は持たないようにしているし手出しはしないからな」


と、言うと茶々は俺の耳にふーっと息を吹きかけ


「真琴様のそういう、約束を守る所は好きですよ」


と、小声で言っていた。


「あ~マコと姉上様昼間っから始めようとしてる」


と、お江が襖を開けて入ってくる。


「お江、私は正妻ですから」


茶々が言う。


「いや、昼間っからやろうとはしてないから」


と、俺が言うと


「ふ~ん、今夜は私の番なんだから子種残しといてよね」


と、お江は睨んでいた。


やはり最近お江はお初に似てきている。


少し怖い。


柳生宗矩にはあおい、真田幸村には緑子、伊達政道には朱梨が選ばれ俺達の養女になったうえで合同で祝言が上げられる事が決まった。


それは常陸国立茨城城女子学校の格を一気に上げるきっかけとなった。


貧しい農村出身でも真面目に働けば俺の養女として黒坂家重臣の家に嫁げると。


さらに入学希望者が増えた。


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