第292話 不思議娘トゥルック
囲炉裏のある広間の上座に座る。
トゥルック達3人も下座に座りその間に、板部岡江雪斎と柳生宗矩が左右に座る。
流石にお江と鶴美は同席しない。
トゥルックは被っていた狼の皮を取る・・・・・・!
「えっ!えぇ~金髪美少女キターーーーーー、すげーエルフみたい」
初めて見た時に抱いた違和感は大和民変わらぬ外見のアイヌ民出はなかったからだ。
「ナンなの このヒト」
と、トゥルックは両手で身を守るかのようにして身震いしていた。
「ごほん、御大将」
と、宗矩が俺の高まるテンションを沈めてくる。
「この者の父親は大陸の者で金毛人、母親が村長をしております」
「なるほど、ハーフかぁ~大陸近いからそういう娘もいるんだね」
「いや、なかなか珍しいほうなんですが」
と、板部岡江雪斎。
「ハナし して いい?」
と、トゥルック。
「だから、勝手に話しをいたすな。殿より偉い御方なのだ。天子様、上様、将軍家に次いでこの御方、しかも、この御方は上様に直接御意見出来る方」
と、板部岡江雪斎。
「あぁ、そういうの構わない。直答を許す」
「御大将はかしこまることを嫌いになる。好きに話すが良い」
と、宗矩が言う。
「4バンメにエラい?」
「まあ、そういうことだ」
「ナラ モリを キリヒラク ヤメサセテ」
「それは申し訳ないが出来ない。この政策を進めた張本人が俺だ」
「だったら ヨケイに トメラルハズ」
「未来を見ている。このままで良いとお考えか?開拓しなければ豊かにはならない」
「ユタカにならないとダメか?イママデどおりでかまわない」
青い瞳で俺を強く見つめた。
「これ、失礼な事を言うな。開拓すれば作物も採れ冬にだって食事に困らなくなるとお考え」
と、板部岡江雪斎。
「俺達が日本国として樺太を平定し栄えさせ守りをかためねばいずれは大陸から兵が押し寄せてくる。それがわからぬか?」
「ワカラナクハナイ チチも そうやってワタッテキタが シンダ」
「なら、攻めてくるのをあきらめるくらいの発展をしたなら戦は起きないと思わないか?」
「ソウワ おもう」
ドタバタドタバタドタバタドタバタドタバタ、廊下を走る家臣が飛び込んできた。
「大変です。伊達政宗様一行が熊に襲われたと」
「すぐに兵を集めよ」
と、宗矩がすぐに動き出した。
「開拓、未来を語るより今は人間の味を覚えてしまった熊を狩るほうが先だな」
「それは ドウカン する」
「熊狩りをする、すぐに兵を集めよ。俺自ら指揮を取る」
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