第280話 北条氏規の来城
織田信長は茨城城を拠点にしばらく常陸国を見て回るという。
俺の改革を見るのが目的だ。
農業、学校、食堂、利根川大改修事業など。
俺はいつものように執務をし、力丸が信長を案内する。
そんな中、鹿島城から柳生宗矩が早馬で連絡をしてきた。
北条氏規が安宅船で入港してきたと。
俺に面会をしたいと言うので許可を出すと次の日登城してきた。
大広間に通す。
俺があとから部屋に入るとそこには痩せこけた年齢より年取った用に見える人物。
「お久しぶりに御座います。急な登城お許し下さい」
北条氏規は小田原城の戦いの後、伊豆一国を領地に存続が許されたが、国替えで現在は樺太島と言う日本国最北端の大きなしまが任せれている。
実はこの国替えは俺が信長に進言したからだ。
北条の残当を少しでも本土から離す目的と、その大勢の家臣達が開拓してくれる事を期待した。
「随分おやつれですね」
「はい、北国の地は厳しいございます」
と、弱々しく言った。
「実は、将軍家に支援をお願いしたのですが、良い返事を貰えなく作物の事なら常陸大納言様の所へ行くように言われたわけで」
「なるほど、農作物が悩みですか?なら、取り敢えずなら、じゃが芋、蕎麦、小麦、大麦、とうもろこしなら融通出来ます。寒冷地に適してます」
「ありがとうございます。ありがとうございます」
と、頭を下げる。
「しかし、それだけではなく、城も雪や寒さに耐えられなくて困っております」
「小田原周辺は温暖な地でしたからね。困りましたね」
と、言っていると、隣の部屋、襖の向こう側で聞いていた織田信長が襖をあけて入ってきた。
「行ってやれ、常陸」
と、一言言うと、北条氏規は最初誰だか分からない様子。
そりゃー真っ黒に日焼けしたサーファーのような織田信長は見違えても当然な気がするがすぐに気がつく。
「う、上様、なぜここに?」
「義娘婿の家に孫の顔を見に来ていただけよ」
と、意外にも人間味ある返事をする。
「樺太ですか?寒そうだな」
と、俺が言うと、寒がりを知っている信長が呆れ顔で
「今から行って冬になる前に帰ってくればよいではないか?常陸が思い描く理想国家に樺太が大切なら手伝ってやれ」
そう、俺は北の大陸からの守りの地を樺太を想定している。
だからこそ、底力のある北条氏規を送った。
「そうですね。仕方ないですか、樺太くらいならすぐに帰って来れそうだし、任命した責任も有りますから行きます」
俺の樺太行きが決まった。
メンバーを召集する。
黒坂家南蛮型鉄甲船艦隊を率いる柳生宗矩と農政改革担当奉行の真田幸村と大奉行工総取締役の左甚五郎と、護衛に佐々木小次郎に真壁氏幹、そしてその家臣達600人を準備させる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます