第266話 重臣呼び出し

 重臣の森力丸・前田慶次・柳生宗矩・真田幸村・山内一豊・藤堂高虎、それと狩野永徳を茨城城に呼び出す。


彼らは今まで織田家から派遣されている与力だったが力丸を除いて、黒坂家直臣にする事を織田信忠から許してもらえた。


大広間にすでに話しは通してはある重臣が裃姿で改まって並んで座っている。


「皆、忙しい中の登城、御苦労様、聞き及んでいる通り皆は黒坂家の直臣となった。よって織田家からの給金がなくなるので、皆、俺からの給金を加増する。力丸から聞いたが一万石だったらしいな、よってそのまま一万石を俺から払うようにいたす」


と、言うと慶次が、


「かしこまりましてございます。これまで以上に黒坂家発展のために働かせていただきます」


と、珍しく真面目な表情で言う。


「黒坂家と言うより、日本国の為と思ってほしい」


と、俺が言うと宗矩が


「もちろん、皆、御大将のお心をわかっております。新しき改革を常陸国で続けそれを広げ織田家を支え日本国の国力を上げる。それが御大将のお考え」


「その通りだ。知っての通り俺は織田家家臣ではないが幕府重役て言う曖昧な立場だ、が、織田家に弓引くつもりなどはない。このことは努々忘れずに働いてくれ」


と、言い渡すと、皆は一斉に


「「かしこまりましてございます」」


と、返事をして頭を下げた。


「御大将、常陸国北部に造りました城、一段落はつきましては御座います」


と、藤堂高虎。


「そうか、ありがとう。造らせておいて悪いが、その城はかねてから言っているように伊達政道を城主とする。藤堂高虎、久慈川の河口に新たな海城を築く事を命じ、その城の城主に任命する。頼んだぞ」


と、藤堂高虎に新しい城の築城を命じる。


「城主、私を城主にありがたき幸せ」


と、まだ出来てすらいないのに礼を言われるのが不思議な感じであった。


「今宵は、俺の料理を食べ、飲んで休んでまた、明日から頑張ってくれ」


俺はこの日、美味しい季節、あん肝にたっぷり脂がのる旬の鮟鱇でどぶ汁を作って日頃の働きを労った。

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