第260話 ラララ・リリリ
銀閣寺城の俺の専用宿舎である銀閣寺に、二人の新しい側室を連れて戻ると、二人は口をあんぐりと開け驚いている。
銀閣寺、そう、銀箔貼りの銀閣寺。
最近、銀の酸化が激しく修繕されたばかりで銀色に光る建物は異質極まりない。
俺は好きなのだが。
「さぁ、ここがこの城では俺の宿になってるから入って」
と、中に入るように促すと、二人は中に入る。すると、
「あぁ~あ、やっぱり増えちゃったか~側室。初姉上様に蹴られないと良いね、マコ」
と、お江が少し呆れ顔で言う中、小糸と小滝は二人を見て目を丸くしている。
異国人はそれなりに茨城城城下でもいるのだが、接近まではしていなかったのだろう、褐色肌巨乳ロリ美少女、170cmほどの長身でありながら顔は幼い、なのにボンキュッボンの体つきに、小糸と小滝姉妹は二人を見ては自分たちを見比べていた。
「いやいや、比べる可愛さとかではないから、みなそれぞれの個性が好きなんだから」
と、言うと小糸と小滝は安堵の小さな溜め息を吐いた。
「で、お江、この二人はだな」
「あっもう聞いたよ、異国の王の姫なんでしょ?坊丸がお付きの人連れて説明していったよ。初姉上様に蹴られるってのは冗談、事が事だから大丈夫だよ、マコ」
と、言いながらケラケラ笑う。
二人にはハワイから来た下働きの付き人もいるとのこと。
いや、それより、冗談にはなっていない!
城の警備を任せてからは、宗矩相手に毎日のように鍛錬していたお初の蹴りは冗談レベルでは済まされない。
「ラララにござるとです」
「リリリでありるとございます」
まだまだ日本語が下手な二人は、ラララとリリリ。
双子だ。
ラララには右側に泣きほくろ。
リリリには左側に泣きほくろがある。
髪は腰まであり焦げ茶色。
瞳は綺麗な薄い茶色で大きく鼻も高い。
そして、日焼けなのか自黒なのか?ツヤツヤとした褐色肌。
これぞ萌え。
俺の理想とする異世界に召還されたオタク魔王の魔族娘が仲間になりましたラノベ物語を彷彿とさせる。
長身なのが少し残念。
「お江、小糸と小滝もだが二人は異国人、日本の言葉もおかしいが風習・習慣も違う、偏見の目では見ずに少しずつ日本の風習・習慣を教えてやって欲しい」
と、三人に言うと、ラララとリリリは頭を深々と下げる。
このあたりは船で習ってきたのだろう。
「わかってるよ、マコ、私がそんな目で人を見て差別したりしないのはわかっていると思っていたんだけどな!」
と、少しふくれっ面になりながら言うお江は、織田信長の姪にして浅井三姉妹、側室の中でも出身身分で言えば一番の姉妹なのだが、お江の甘えん坊キャラで皆仲良くするように働いているのは実は知っている。
お江の頭を優しくなでると、機嫌を直した様子でにんまりとしながら、
「んとね~黒坂家では夜伽は毎日交代制だから、抜け駆けは駄目だよ」
「ゲホゲホゲホゲホゲホッ、お江、その話しはしばらく後にしてくれ」
「え~、家(うち)では一番大事なことだよ」
と、お江が言うと小糸は小滝も激しく同意の頷きしている。
「んと、だな、取り敢えず家にあがるときは履き物を脱いで足を綺麗にしてから入るとか、そういうとこから頼むよ。夜伽は茶々に了解を獲てからだから」
「そっか、そこから教えないとならないのか、わかったよ、マコ」
とぼけ混じりに言うが、お江に任せることに不安は感じない。
お江は身振り手振りで習慣を教え始めていた。
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