第258話 ハワイ諸島

 御所から銀閣寺城に移ると、三人は俺たち三人は天守の最上階に上った。


「信長様、ずいぶん日焼けされましたね。まるでサファーだ」


と、俺はこんがり日焼けした信長に言うと、同じく日焼けした蘭丸がココナツに穴をあけて細い竹の管を指した物をを持ってきた。


ココナツ100パーセント果汁ジュースを飲む。


不思議な感覚だ。


この時代でこれを飲むのだから不思議と言うしかない。


飲んでいると、


「常陸が申したところに行ってきたが日差しが強い島だったな、暑い島国だ」


と言って、俺が以前書いた世界地図を広げ扇子で信長はハワイ諸島を指していた。


「おおお、父上様はこのようなところまでいかれたのですか?」


と、信忠は驚いている。


「長い長い船旅だったがな、ここまで行ってきた。行ってきただけではないぞ、服属させてきた」


「力攻めですか?」


「常陸、あのような戦艦があれば脅すだけで十分であろう。それにそのハワイの島々を統一しようとしている、プルルンパなら者がおってな、統一を手伝ってやったのだ。そしたら、小さな島を一つ献上してくれた上で、従属をしたのだ」


あれ???・・・・・・史実歴史戦では確かカメハメハ?ハメハメハ大王だかがもう少しあとでハワイを統一するはずだったが大きく時代を変えてしまったみたいだ。


しかも、何ともいえない微妙な名の者が初代ハワイ大王・・・・・・プルルンパ大王。


それはおいといて、


「ハワイは太平洋の要所、しかるべき者をおいて海城を築くべきだと思います」


と、俺が言うと、


「ん、誰が良い?」


と、信忠が言った。


「はい、そうですね、若い者が良いから、羽柴秀吉家臣、福島正則などいかがでしょうか?城作りの名手ですし、加藤清正でも良いかな」


「よし、そう猿に申しつけ連れてこさせよう」


現在は信長直轄の南蛮型鉄甲船艦隊の5隻を残してきたらしい。


ハワイは日本国になるとはハワイを勧めておいた俺自身が驚きだった。


「船の補修と補給を済ませたらまた次の地に行くぞ」


と、目を輝かせる信長に信忠が、


「唐攻めはいたさぬのですか?」


と聞く。


それに対して俺が、


「中国大陸は広すぎます。統治ははっきり言って無理だと、未来でも一時的に占領しましたが大陸が広すぎて四方が敵、そのようなところに手出しすれば終わらぬ戦いが続きます。むしろ大陸とはつかづ離れずの友好的関係を保ち続けるのが良きかと、この大きな海原の支配者になろうとしている信長様には大量の火薬、鉄鉱石の輸入が必要ですから、敵に回すのは良いことはありません」


と、俺が言うと信長が、


「だ、そうだ。知っての通り常陸には未来の知識がある。常陸が知っている歴史で失敗していることをする必要もなかろう、儂が目指すはここぞ」


と、オーストラリア大陸を指さしていた。


信長の最終目標はオーストラリアを日本国にすること、地球儀で言えば縦の線を日本国にするという壮大な夢であった。


信忠はただ驚いていた。


そりゃそうだ、オーストラリアを目指そうとする織田信長を誰が想像できただろうか?


俺が世界地図を書いて勧めなければこのようなことにはならなかったわけだが、50を過ぎた織田信長は野望に満ちあふれていた。



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