第176話 鹿島神宮
城の普請の指示は一通り出来たので時間に余裕が出来たのと春の温かな気候の為、領内巡察を兼ねた鹿島神宮詣でに出た。
茶々・お初・お江と宗矩が率いる護衛の家臣団300人ほどの行列だ。
まだ、北浦に船で出る為の水路は整備中の為、陸路で向かう。
茶々達みたいな姫達は、普通なら輿(こし)と呼ばれる乗り物に乗るのだが、男勝りの三姉妹は袴を履いて馬に乗っていた。
しかも、意外に乗馬が上手い。
その中でも、お初は流鏑馬が出来るくらいの腕らしい。
人材不足の我が黒坂家、お初を女武将に採用したいくらいだ。
陸路で、霞ケ浦の北側を進んで2日ほどで鹿島に着く。
鹿島神宮隣はすぐ鹿島城となっているが、荒廃しきっている。
今は、新土浦城・高野城。笠間城が優先だから仕方がないのだが、鹿島城の整備は行いたい。
鹿島神宮には平成の世でもコンコンと沸く水、鹿島七不思議のひとつとされる、御手洗池で身を清めた。
「ほんと、真琴様は寒がりなくせに神事?となれば普通に水を被ったり入ったりするわよね」
と、お初が不思議がっていた。
「マコの不思議だよね」
と言ってお江も笑っていたが、
「ほら、そんなこと言っていないで、皆も御主人様、に倣って身を清めなさい」
と、茶々が言って、御手洗池に浸かった。
史実歴史線、平成で知られる社殿は徳川秀忠・家光の造営・建立、今は朽ち果てようとしている社殿がうっそうとした森の中にただずんでいるだけだった。
俺は、常陸の繁栄と社殿建立を約束し参拝した。
「宗矩、この神宮を黒坂家の守り神とする、造営、整備の計画を立ててくれ、合わせて、鹿島城を海からの守りとして改修する、新土浦城・高野城が出来次第こちらに取り掛かってもらう」
「はっ、帰りましたらすぐに手配を始めます」
「それと、息栖神社、香取神宮も整備をしたい、息栖は我が領地なれど、香取は蘭丸の領地、許可をとって協力してもらうよう出来ないか頼んでくれ」
「はっ、かしこまりました」
鹿島神宮・息栖神社・香取神宮は東国三社と呼ばれる深いつながりを持つ神社。
その三か所の整備はじっくりしたい。
俺の故郷。
面影など、土地の起伏の感じしかないが、この地が自分が生まれ育った地だと思うと繁栄させたくなるものだ。
三社を整備して、後の世でパワースポット、東国の聖地としてSNSが賑わう場所にしたいと思った。
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