第130話 戦艦
サン・ファン・バウティスタ号、それは伊達政宗が慶長遣欧使節の支倉常長の一行を乗せて行かせるために作った船。
俺が宮城県石巻で見た物は伊達政宗が造らせた船の復元船。
日本ではじめて作られた、外海の航行も可能なガレオン船、南蛮の戦艦だ。
それが今、目の前に30隻停泊している。
サン・ファン・バウティスタ号との大きな違いは、鉄貼り、外装は黒光りした鉄の板が貼られている。
織田信長の石山本願寺船で援軍の毛利水軍を蹴散らした鉄甲船は有名だが、それは基本的な構造は和船の軍船・安宅船、今、目の前にある船は竜骨のある南蛮の船の南蛮軍船、まさに戦艦だ。
全長:55m 最大幅:11m 排水量:500t
マストは3本有る。
船の片側には12の大砲が砲口が覗いている。
左右両方合わせれば24門、戦艦と言わずなんと呼べば良い?
「完成していたのですね」
天守から、ふ頭に移り船を見上げながら言う。
「完成して試験航行を繰り返していた、船だけできても航海術を得ていなければ、大海に流れる棺桶と一緒だからな」
確かにその通りだが、高々3年でこの艦隊を作り上げたのか?
一部資料ではサン・ファン・バウティスタ号も45日で完成したと言うのを復元船の博物館で見ているからさほど時間を必要とはしないことは知っていたが、これほどの数を揃えてくるとは。
まさに艦隊、大砲を積んだ南蛮軍船型鉄甲船は新たな時代の幕開けを予感させた。
「これで攻め込む、目にもの見せてくれる」
そう言う、信長はまさに覇王の風格。
第六天魔王どどちらが強いか等とは愚問か。
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