第104話 子作り

俺は結婚をしている、かの有名な織田信長の姪、茶々と。


茶々は俺と結婚するにあたって信長の養女になっていて義娘、そうなると俺にとっては織田信長は義父なのだからなんとも不思議。


そんな茶々はまだ16歳になったばかりだが、結婚しているのだから子作りも合法で倫理的になんら問題はないのだが踏ん切りが着かないでいた。


要はまだ童貞なのだ。


茶々は、俺の寝室の隣の部屋を寝所としている。


隣の部屋と言っても襖一枚向う側なだけで寝息が聞こえる距離。


別に茶々の寝息が五月蝿いわけでも、イビキや歯ぎしりが聞こえてくるわけではないが襖一枚向う側に美少女がいる、しかも、抱いても良い美少女がいるとなるといささか興奮もする。


そんな悶々として過ごす毎夜が続いて、数ヵ月、春の風吹く夜。


俺は何時ものように懐に隠してある時計で21時になったのを見て布団に入った。


ウトウトとしだした頃、人影が枕元に座っているのに気が付いた。


「え?茶々なに?どうした?」


「その、子種は何時になったら貰えるのでしょう?」


ん~なんか、前にも似たような台詞を聞いたが美少女が精子をくれって言う意味の言葉を言っているのを聞くと背筋がゾクゾクとした。


「って、いや、あの、その」


と、言葉に詰まる俺に抱きついてくる茶々。


良い匂いがする甘い桃のような匂いが。


「桜子にはお情けをあげたのでしょ?だったら私にも」


って、なんか勘違いをしているみたいで俺は茶々の肩を両手で掴み離れた。


「桜子とはまだ何もないよ」


「え?でも側室なのでは?」


「えっと、その約束は確かにしたけど抱いてはいないんだよ、茶々に許しを貰ってからって答えて」


と、言うと障子から差す月明りに映る茶々の顔は目を見開き、俺が間違った言動をしているかのごとく見ていた。


「御主人様は黒坂家を断絶させるつもりですか?」


「え?断絶もなにも知っての通り俺はこの時代の人間ではないから、親から引き継いできた家って訳ではないし」


「いえ、御主人様は最早この時代の武将、だったら家を黒坂家を残すために子作りに励まねばならないのです」


この時代の女性はストレートに凄いことを口走るなっと思う。


平成なら間違いなく変り者女子だ。


しかし、一理ある。


俺は茶々と結婚すると決めたとき、平成に帰ることを考えないと決めたのだから、この時代の人間になったわけだ。


しかも、家臣を抱え中納言と言う高い位を持つわけだから、黒坂家を代々残すように考えないとならない。


と、なると子作りは当たり前な事。


って、もうこれが踏ん切りをつけるチャンスだな。


「あの、よろしくお願いします」


と、三指を畳に着け御辞儀をした。


「ふふふっ、変なお方ですね、御主人様は、こちらこそよろしくお願いします」


と、言って茶々も同じように三指を畳に着け御辞儀をした。


この夜、茶々と結ばれた。


「ちょっと、痛い痛い痛いってばーーーーー」


ごめんなさい、初めてなもので。



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