夏の薫り

体を締め付けてくるような暑さの中

時折ときおり風が汗を冷やしてくれる


蝉が鳴いて

今が夏なんだと必死に訴えて

力尽きそうな体をふらつかせて

私に体当たりをする


ふと香るお線香の匂いに

お盆を思い出し

故郷ふるさとに思いをせる


今頃

父は母はどうしているだろう

今年は顔を見に帰ろうか


幼い頃

お墓参りのお寺で飲んだ冷たい麦茶

お線香の香りと一つになって

不思議な空間を作り出していた


今年は一緒に行こう

何年ぶりかな

家族でお墓に行くなんて


なぜだか晴れやかな気持ちになり

夏の薫りを懐かしむ





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