酒と娯楽の日々

1杯目 雨とレモンチューハイ

ざーざーと雨が降っている。

びしょ濡れになるのは嫌だが雨は嫌いではない。雨雫がみずたまの様に降るのは綺麗だ。

こんな日は家にこもって、酒を飲みながら好きな音楽を聴いているのがいい。できれば掃除したてのさっぱりとした部屋で。


いつからだろう。毎日のように酒を飲むようになったのは。

そんなことはもう覚えていないけれど、風邪で寝込んでいる時くらいしか酒を抜いた日はないように思う。毎日飲んでいて、泥酔しきってしまうわけでもなく、酔っ払って気持ちよくなってそのまま眠りに落ちる。

特に誰かに迷惑をかけたりもしないし、大抵一人で本でも読みながら楽しくなるのだ。

どうせいつか人は死ぬんだし、若い人にはお金は回ってこない世の中だし、なによりも自分は面倒ごと、いや、世の中の普通に暮らしている人たちのまともにしていることがどうにも堅苦しくてそこから抜け出したいし毎日は楽しく過ごしたいから、ついつい飲んでしまう。毎日がちょっぴり楽しければそれでいい。


アルコールが強めの、安いレモンチューハイはそんな自分の味方だ。安くて酸っぱい炭酸。

部屋の隅の箱からは中に埋め込まれたスピーカーから音楽が止めどなく流れてくる。

いつも飛んでる君が好きさ、と自分の好きなヴォーカルはいつだって僕を肯定してくれる。それだけで生きてる意味はあるのかな、なんて思ったりして。

安い酒を飲む安い頭の中の薄っぺらい自分。憂鬱ではないけどこんなこと考えていると雨雫と一緒にみずたまになって溶けてしまいたいとか考えてしまう。


そんな日常、酒とバラエティーの日々。

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