『雨のち晴れ』

黒い囁きは ナイフ


切り裂かれ 逃げ込んだ森 


さまよい歩いてどれくらい経つのか



その森に 夕闇が忍び寄る


微かな陽光が眩しくて 目を閉じた


まぶたの裏には 太陽が焼き付いている



暖かな ノックの音


塞ぎ忘れた鼓膜には 母の声



ごめんね ごめんね ごめんね



雲が太陽を覆い 大粒の雨



固く閉じた瞳からは 後悔が溢れ出す



まだやり直せるだろうか


心の鍵をあけ 目の前の扉に手をかけた



ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい



扉の向こうは眩しくて 


とても とても 暖かかった

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