『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』
『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』(映画/監督:石立太一/2020)
TV版&外伝の世界から四年後。すっかり売れっ子の代筆業者となったヴァイオレットだが、かつて自分を拾い、育て、愛を注いでくれたギルベルト少佐への想いを断ち切ることはできずにいた。
未だに未帰還扱いの少佐。しかし、仕事をこなしていく中で、ある手掛かりが見つかる。それは彼女たちの郵便局があるライデン・シャフトリヒに宛てて書かれた、小さな島・エカルテ島からの手紙だった。
ヴァイオレットの理解者である郵便局社長・ホッジンズは、ギルベルトの兄・ディートフリートに協力を仰ぎ、なんとかヴァイオレットをギルベルトに会わせようとするのだが……。
はいは~い、こっから先は情け容赦なくネタバレ入りま~す。ご注意くださいませ。
昨日、僕は言いました。男の弱さ・情けなさをカバーできる(しなければならない、という意味ではありませんが)のはやはり女性なのです。
かといって、ヴァイオレットも一人の恋する少女。男の弱さをカバーするには荷が重い。
そこで、三人の男……いや、もう三馬鹿トリオと言ってもいいのだが、彼らが活躍し、時には逆にヴァイオレットの意志の強さを見せつけられたりして、どーにかこーにかヴァイオレットを幸せにしてあげる。この映画は、そんな話だ。
★三馬鹿トリオの紹介
〇クローディア・ホッジンズ:過保護な社長。
〇ディートフリート・ブーゲンビリア:海軍大佐でギルベルトの実兄。かつてヴァイオレットに部下を皆殺しにされた経緯がありつつ、成長した彼女の人間らしさに心を打たれ、複雑な感情を抱く。
〇ギルベルト・ブーゲンビリア:もう好きに呼べばいい。ロリコンでも情けない奴とでも。
馬鹿というには失礼な話だが、彼らは違ったアプローチでヴァイオレットを気にかけている。
〇ホッジンズ:保護者。
〇ディートフリート:自分でもよく分からない。
〇ギルベルト:愛してる。異性として。
まあ、これを見てると、途中で話に絡んでくるユリス(病床の少年)とその友人・リュカの方がよっぽど大人やん……とか思ったりもするが。
とまあ、多少偏屈な見方が必要になる映画なのだ。よくこれを、シナリオが甘いとか言う人がいる。それは認めよう。
だが、それではあまりにもったいない。ギルベルトの台詞だが、
「君の涙をぬぐいたい」「ずっとこうしたかった」
おいおい、異性とはいえ元・部下に対する言葉かよ!? ってなところだが、気にしない気にしない。
似たようなことなら、散々シャアがやってるから。
※岩井は一つの作品を語るにも、多くの他作品を引用する癖がある。失敬。
男なんて所詮そんなもんである。それが分かってしまえば、あとは怖くも何ともない。京アニ史上最高最強というべき作画、編集、音楽、美術、そのすべてに酔いしれていればよろしい。
編集もね、間延びしてる、って人がいるけど、個人的には好み。たとえそのせいで140分という長尺になってしまっているとしても。
とにかく、好き嫌いはいいから二度は観ろ。そんな映画である。
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