『運び屋』
『運び屋』(映画/監督:クリント・イーストウッド/2018)
老齢ながら仕事一徹で、家族仲もどん底状態な主人公・アール。彼はひょんなことから、麻薬の運び屋として大金を手に入れる。
家族のことも顧みず、ついつい目立ちたがってしまう彼は、罪の意識を抱きながらも、マフィアとの共生関係を図る。人助けとして、バンバン金を使いまくるアール。
しかしマフィアも一枚岩ではなく、上層部の裏切りや警察の追い詰めもあって、アールは窮地に陥っていく。彼の残りの人生は、一体どこへ向かうのか。
『凄い映像』というものがある。派手なアクション、美麗なCG、見事な合成。だが、問題は、「それらの技術の裏に一体どんなメッセージを込めるのか?」ということだ。今作は、それを思い知らされる。
アクションもCGも合成も最低限に絞り、緻密なカメラワークと脚本、そして何より素晴らしいキャストと演出で第一級のエンタメへと仕立て上げる。この、観客の本能に訴えかける『魅せ方』、圧巻である。
それがこの監督にして本作における主演、クリント・イーストウッド最大の魅力。他の監督にそうそう真似できるものではない。
もちろん、彼の作品以外にも、素晴らしいヒューマンドラマはたくさんあるし、それを創造できる監督もたくさんいる。
しかし、それを鑑みても(そして個人的好みの問題だとしても)、筆者はこの作品を、映画を観慣れている方にも、初心者意識のある方にも、是非お勧めしたい。
画面から絶えず溢れ出す娯楽性の高さ、胸を打つドラマ性、ウザくないお説教など、とにかくすごい。多くは語らないが、個人的にはアールと奧さんのドラマパートが好き。ここだけ見せられても、たぶん泣ける。
必見。
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