『パシフィック・リム』

『パシフィック・リム』(映画/監督:ギレルモ・デル・トロ/2013)


 異世界人が地球乗っ取りのために海から送り込んできた怪獣を、人類が巨大ロボットでぶん殴ったり蹴っ飛ばしたりぶった斬ったりする映画。それ以上でもそれ以下でもない。


 そう、『それ以上でもそれ以下でもない』ところが熱いのである。やっていることは至極単純だが、映像は言うまでもなく大迫力だし、最後まで適度に緩急をつけて飽きさせない展開も大きな魅力。


『ダークナイト』のように難しいテーマを背負うわけでもなく、まあ、映像もドラマもストーリーも最高だった『ターミネーター』『ターミネーター2』あたりには敵わないが、時としてそれは、こういった馬鹿映画の宿命であり、こういう映画の存在は、映画界の発展に必ずや寄与するものであると筆者は思う。


 また、こういう類の映画(人類滅亡の危機⇒人類大逆転)のノリは『インデペンデンス・デイ』あたりが起源なのでは、と思うのだが、それを戦闘機アクションではなく、地に足が着いたアクションで執り行った意義は極めて大きい。


 仮にこういう作品を『必要悪』などという人間がいたら、筆者はイェーガー(件の巨大ロボット)に乗ってそいつをぶん殴りにいく所存である。

 まあ、そういう人が『それより、クリント・イーストウッドは最高だよな!』とか言い出したら、一緒に飲み屋にでも行くかもしれないが。

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