1 年 前 (春)

高2になった。

私の通う高校は、2年に上がる時にクラス替えがある。

だから、今日から新しいクラス。


…まぁ、別にクラスなんてどうでもいいんだけど。


「鈴木歌奈です。よろしくお願いします」


2年になって初めてのHRは自己紹介。

私は自分の番になると"よろしくお願いします゛なんて思ってもいないことを口にした。


クラスで友達を作る気なんてない。

1年のときは最初の方に1人だけ、友達と呼べる人がいた。

でも、その子は私にとって途中でいらなくなった。

その子は私がいながらも他の子とも仲良く笑って、楽しそうに過ごしている。

その子は私以外にもたくさんいる。

その子にとって私は必要ない。

その子は私のことを心から必要としていない。

それなら私はその子はいらない。

私は心から私のことを必要としてくれる人以外いらない。


だから、途中で関わらなくなり私はクラスで1人になった。

1人は楽だった。

無理に人に合わせなくていいし、気を使うことだってしなくていい。

けど、それと同時に1人という孤独感が私を苦しめる。

周りのクラスメイトは友達と楽しそうにしている。

それに対して私は毎日1人。

この教室内で私のことを必要としている人は誰もいない。

誰も私を必要としていない。

それなら私の生きてる意味は何?

誰にも必要とされないのに、どうして私は生きてるの?

わからない、わからない、わからない、わからない。


私は、誰かに必要とされたい。


私のことを必要としてないのに中途半端に関わってくる人間はいらない。

だから、私は2年は最初から友達を作らないと決めた。


誰にも必要とされないまま、

生きている意味のわからないまま

私は過ごす。

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