切り裂きジャックの鎮魂歌
天邪鬼
プロローグ
君は『切り裂きジャック』を知っているかい?
彼はとある国で有名な殺人鬼。お気に入りのナイフで毎晩人をバラバラに切り裂くんだ。本当の名前や正体は不明、国が率先して彼を捕まえようとしているけど、手掛かり一つ見つからない。ただ、町の人々の間では、こんな歌が広まっている。
『怖い怖い切り裂きジャック
毎晩毎晩人を切り裂いて
彼の存在知らしめる
好きなものは血の雨
嫌いなものは天の雨
星の夜は怯え隠れろ
嵐の夜は喜び歌え
怖い怖い切り裂きジャック
今夜も何処かで独り彷徨う』
これはほんの一部だが、きっと彼を恐れるあまり、彼の行動条件を調べていたんだろう…やはりこういうのは実際に危険に晒される人の方が調べるのが得意なんだろうね。
だけれど、ある日彼は忽然と姿を消した…いや、正確には消されてしまった。すぐ目の前にいても、誰も彼だと気付かない……そう、皆彼を忘れてしまったんだ。まるで『切り裂きジャック』など居なかったかのように…。
どうして『僕』がそんなこと知っているのかって?ふふ、そうだね、皆が忘れているものをこうやって語るなんておかしな話だ。どうしても知りたいのならば、過去に行ってさっきの歌の続きを調べてみればいい。そうすればきっと、彼がどうして忘れられてしまったのか、どうなったのか、そして…『僕』は一体何なのかが分かるよ。え?そんな事できないって?大丈夫、君が知りたいと願えば、必ず目の前の扉は開く…もしかしたら、誰かを救えるかも知れないね。
そうだ、さっきの歌はこう名付けることにしよう。きっと何かのヒントにもなるよ。
『切り裂きジャックの鎮魂歌(レクイエム)』
それじゃあ、この悲しく憐れな『切り裂きジャック』の物語をしっかりと君の目で見届けておくれ。
……いってらっしゃい
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