彼岸
眼が覚めると其処は元居た場所とは違うようです
暖かな日差しは無く、ヒンヤリとした風が吹いています
雲の切れ間から時折光が差しますが
どうやら私を照らすものでは無いようです
途端に不安になり南に向かいました
暫く歩いていると川辺に辿り着きました
その川は流れが速く
私一人では渡る事が出来ません
辺りを見渡すと向こう岸に人影が見えました
私は大きな声で叫びましたが
気づいていないようです
私は絶えず叫び続けました
漸く気づき振り向いたその顔には大きな哀しみを湛えていました
堕落 石川桜所 @Ohsho
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