暗く淀んだ部屋で一日を過ごす。

やらなければならない事は多く、気分は落ち込んで行く。

偶に本を読み耽れば取り留めのない事を思案する。

私はこれから何処へ向かうのだろう。

今の状況から察するに明るい未来は待っていない様に思われる。

何か別の道を探しはするものの、二、三歩踏み込んではまた引き返す。

多くの者が歩む道を歩めば迷う事はあるまい。

然しその道を歩む事は憚られる。

私が私でありたいという我儘を許してはくれまい。

雨が降っている。

外に出れば身体をしとどに濡らし、何とも無情な気分である。

全天を厚い雲が覆っている。

時折雲の切れ間から光が差すが、遠くの方を照らすばかりで私を照らすものでは無い。

何とも無情な気分である。

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