此の命、限りあるほどに美しい
澪汰
00.
side→?
とある港街
普段は昼夜を問わず活気付いている場所。
しかしその日は、そんなことが嘘のようにひっそりと静まり返っていた。
パンッ――
静寂に突如響き渡る銃声。それを歯切りに、あちらこちらで銃声が響く。その騒ぎを、少し離れたコンテナの上で表情一つ変えずに、見つめる若い男。不意に男は音もなく地面に降りると、暗闇に紛れてしまう。
side→
『……?』
「……どうしたの、
『いや、なんでもない』
別室で映像越しに現場を見ていた
(まあいいか…………)
少女が付けている〝超小型特殊カメラ内蔵〟のコンタクトレンズのおかげで、タイムラグもなく状況を把握することが出来る。
「……それにしても……これ全部、あの切り裂き魔の仕業……?」
『……さあ? けど、こうも毎回獲物取られるってのは正直困るわな』
そしてそういう奴らは、小さい組織故に大概裏で非合法なことをしていることが多い。
そんなわけで、そんなならず者たちがうろついていると連絡を受け、
「……そうね。無駄足もいいとこだわ」
一通り現場を見て回ると、
「……
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