第3章「クズと帝国」

いやぁー!!順調過ぎる!!!





利央は己の眼下に広がる光景に満足しているようだ。





様々な種族が城の改築や城下町の建設に勤しんでいる。







あれからどれだけの仲間が増えただろうか…。








ダークエルフにリザードマン。オークに新たなゴブリン達。それに人狼なんて奴らもいたっけな。







とにかく!!クーズー帝国には新たに沢山の亜人が加わったのだ!!!






やたらとプライドが高かったリザードマンたちはリーダーを無理やり闇属性魔法で仲間にしたり、力が全てみたいな人狼たちはゴブ一郎がリーダーを軽くひねったりと紆余曲折はありながらも、なんとか戦力を増やすことに成功した。




とりあえずそれぞれの種族に1人ずつ闇属性魔法で強化したリーダー的な奴を配属しておいた。まとめ役的なね?





なかなか大所帯になってきたから、めんどくさいのよ!小隊長的なやつがいないと!!




細かい命令とかを一々届けてられないでしょ??






ジーバ君が言ってたんだけど、指揮系統の確立?って大事だなほんと。






スケルトンまで含めると5万人はくだらない数がいるからね。流石にちょっと大変だよね。







でも数が増えてくると、四天王的な奴とか、中ボス的な奴とか色々な役職を部下に与えられて楽しそうだよね。






今度暇な時に考えておこうっと!!

魔王っぽくてかっけえしさ!!!









最近は俺の知らないうちに勝手に亜人たちが集まってくるようになった。なんでも庇護して欲しいとか何とかで。








まあ、良かろう!!



みんな受け入れちゃる!!

だって俺魔王だし?戦力っていくらあっても困らないし?




ただ新しく仲間になった奴にはこれだけは絶対守れっていつも言ってるんだよね…






裏切るなよ?






って。まあ裏切られるのは…嫌な思い出もあるからな。絶対に許さない方針で!






…まあ仲間には優しい系の魔王だから俺!!大丈夫大丈夫。











利央がそんな事を考えていると…





「魔王様ー!!!大変です!!!!」



最近仲間になったゴブリンだろうか?伝令役が駆けつけて来た。





名前はわからんよ…だって多いんだもん。





ジーバ軍とかゴブ一郎とかの主要メンバーは最近増えた奴らの管理とかで忙しいしさ…。





「どうした?!」




「それが!大森林の西に人間の軍隊が!!!」




「おお!まじで?!」



「はい!!…いかがされます?」




人間の軍隊?…西側ってことは王国とは反対側かな?






…やるしかないっしょ。






こういうニート生活を脅かすような奴らを排除するために戦力増強してたんだから!!







それに新たな仲間がどれくらいやれるのかも見たいし。







残酷なようだけど仕方ないのだよ。俺はク…じゃなかった。魔王だしな!!時には非情にならなくては!!!




利央は魔王らしいポーズを決めて、魔王らしい事を思い浮かべる。




「…なぜ1人でそんな気持ちの悪い動きをしているのかしら?」




「シャーリー?!見てたのか?!?!」




「ええ、数分前からいたのだけど…」





恥ずいっ!!!

いや、こういう時は平然を装って…



「んん。まあ、そうだね。これから起きてしまう事に対して悩んでいたんだよ」



「…何かするつもり?」



「…。ああ、うん。人間の軍隊がこの森に入って来てるらしいんだよね」


「え?!…狙いは貴方かしら?」



「さあね。…とにかく実験の相手になってもらおうと思ってさ!!」


「まあ、私も手伝うわよ」



!!相手が人間でもシャーリーが当たり前のようにこちら側に着いてくれるのが嬉しいが…恥ずかしいので余り大げさに喜ぶの




「シャーリー!!!!ありがとう!!!!なんかめっちゃ心があったかくなったわ!!!!」



どさくさに紛れてハグしようとしたが、華麗に逃げられる。




「ええ、最近は貴方についてよくわかるようになってきたわね」



「…そ、そうだね」




利央は真っ赤な顔で幹部に召集をかけたのだった。


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