偏差値9 村での生活

  「おーい。ケイ!水やり頼まれてるぞ!行ってやってくれ!」




 「わかりましたよー!すぐ行きます!」




あの会議の後村の人達に受け入れられた。俺が悪意などないただのこどもだとわかるとみんな親切にしてくれた。村のことを詳しく案内されたり、この世界の常識、魔法のことを教えてくれた。他の魔法を教えてもらって、たとえば「ウォーター」という魔法は空中に水の玉が浮くイメージをし、水を作り出す魔法である。普通の人がするとコップ一杯ぐらいの量しか出ず、イタズラか、ちょっとした水やりにしか使えない魔法だが、俺がやると、畑一面分に水やりができるほどの量ができたので年寄りの人や、畑が広すぎる人に手伝わされたりしている。




「次はハイネルさんちだってよ!洗濯物だそうだ!」




「はいはい!すぐ行きますよ!」




これは「ウィンド」のせいだ。これも教えてもらったのだが、普通は涼んだり、落ち葉を集めたりするのに使う魔法だが、俺が使うと台風かな?と思うほどの風が出る。それを利用して、畑の掃除、子供の遊び、大家族の洗濯物を乾かすのに使われている。




 他にも「パンドラボックス」を使って川に行って水を大量に運んだり、薪に使う枝を集めたりした。結構人使いが荒いなぁ。気づいたことだが、「パンドラボックス」には生物は入れられない。だから水を入れると殺菌され、枝も殺菌され、きれいになることを発見した。水の浄水問題が解決した。これを利用すると、食べものを入れて出すと殺菌され、寄生虫の卵も除去される。衛生問題がある中世ではありがたい能力だ。




 こんな感じで異世界ライフを満喫していたが、ケイはその間に剣の練習をし続けた。俺が手伝いでお駄賃をもらい、それでケイは新しい剣が買えた。俺も居候している身なのでケイに全額あげた。新しい剣が嬉しいらしく、一生懸命練習した。ある時俺にも剣の練習をさせられたが、全然できなかった。俺は運動が苦手なんだ。走るくらいの運動は人並みにできるが、スポーツ全般苦手だ。剣すっごく重かったし、これを軽々と振り回せるケイがすごかった。




 ケイが疲れて休んでいる間、俺は魔法の練習をしていた。魔法を使いたいが、毎回毎回超危険なレベルでつかっちゃあ迷惑だろうし、使いづらい。村の人に聞いたら魔法使いという職業の人が魔法を使うと普通の人より魔力量が多いため威力が上がるらしいが、俺は更にその上の魔力量のためすごい威力になったそうだ。うまく調節すれば威力を抑えられるらしいのでその練習をしている。ケイがたまに森に入ってモンスターと戦って腕試しをするのでそのときについでに俺も魔法を使うのだが、毎回ケイが傷を負わせ、俺が超威力の魔法でとどめを刺す事になる。よく上位モンスターと戦っているが冒険者でも手こずるサイズを一瞬で倒すので、村の人に尊敬?畏怖?される。魔石とモンスターの肉をパンドラボックスに入れて帰るので楽でいいが、毎回子どもたちに「今日は何?」と楽しみにされる。食料を持ってくるからみんなに喜ばれるが、ケイのお母さんとマインたちに心配される。マインもマインでよくついてくるが、ケイに比べると弱く、足手まといかな?と思うときもあるが、モンスターを見つけるのが上手く、ケイがピンチになったとき、自慢のパンチで助けてくれるのでありがたい。




そんなこんなで一ヶ月が過ぎたーーーーーーーーーーーーー




「おーい!手紙が届いたぞぅ!村長さんとメンデルさんもう少しで帰ってくるってよ!今回はお土産に面白いものを持って帰ってくるってよ!」




「おっお父さんが帰ってくるってよ。良かったな。」


(はい!嬉しいですいつもお父さんはお土産を持って帰ってくるんです。今回は何でしょうか?)


たしかになんだろうな。


「お父さんに強くなったお前と俺で驚かせてやろうぜ。」


(あっいいですね。ソウタさんのこときっと驚きますよ。)






続く。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る