偏差値7 グランドスライムを倒せ!

(セリーネって?)

走ってお母さんとセリーネちゃんのところに向かう。

(妹ですよ。僕が寝ているときに会ったんでしょう?)

(ああ、あの子か。悪い悪い。)

(いいですよ。それより早く向かいましょう。)

「呼びに行ったら、モンスターに襲われてたの。近くにいた人たちが戦ってくれてるけどくせんしてるわ。」

「大人でも倒せないのを僕に倒せるかなぁ。」

「村を守るために剣を修行してるんでしょ!とにかく助けて!」

「うー。わかりましたよ。」


 現場についた。お母さんとセリーネが三メートルくらいのスライムっぽいやつに足を掴まれている。二三人の大人が棒で叩いているが効果がなさそうだ。

「あれは、グランドスライムじゃないですか。」

(「グランドスライム?」)

「スライムの上位種です。普段は水辺にいておとなしいんですが、獲物を襲うとき、自分と同じくらいの大きさのを狙うこともあるんです。」

「なんでそんなやつがここにいるのよ!」

「たぶん用水路から来たんでしょう。スライムは自分の形を自由に変えられますからね。スライム系のモンスターは切ると大人しくなるんですよ!それっ」

ケイが足を掴んでいるスライムの触手をスパッと切った。見事だ。二人は開放された。

「ありがとおーーーーお兄ちゃん!怖かったよ~~~~~~~~~~!」

「ありがとうね。ケイ、おかげで助かったよ。」

「いいですよ。それよりこいつをどうしましょうか。」

(そのまま切り続ければいいんじゃないか?)

「この大きさなら無理ですよ。切っても分裂してしまいます。」

「こっちに近づいてくるよ!ケイ!早く切ってよ!」

ズルズルと少しずつ近づいてくる。切られたから怒っているのか。

「だから無理ですって!こうなったら魔法しかありません。マイン!魔法使えましたよね!やってください!」

(え?お前使えないの?)

(使えません。身体強化しか使えません。マインは使えますよ。)

「ええ!んー。でもやってみるよ。ファイア!」

マインが念じて手をかざすと手のひらから野球ボールくらいの大きさの火の玉が出た。これが魔法か。

だがスライムに当たってもジュッと少し焼けただけであまりダメージはなさそうだ・・・

「どうしよう効かないよ!あんなに大きかったら私の魔法じゃ無理だよう!」

「くそー、どうしますか。大きすぎて剣でも切れないし、棒で突いてもだめ、魔法も効かないんじゃ・・・」

(俺は魔法を使えないのか?)

(ソウタが?ですか?)

(さっきパンドラに魔力を宿らされたって言っただろ?俺も魔法が使えるはずだ。)

(そうかも知れませんね。入れ替わってマインにやり方を教わってください。)

「マイン!ソウタだ!魔法の使い方を教えてくれ!」

「ソウタ?魔法使えるの?」

「わからない。だが使えるかもしれないからやり方を教えてくれ。」


「ソウタ?何を言ってるんだい?あの子達は?」


「・・・わかったよ。手のひらに魔力を集めて、火をイメージしながら『ファイア!』って唱えるんだ。」

「わかった。魔力を集めて、イメージして、・・・ファイア!」

手のひらに魔力が集まるのを感じた。その時、車ぐらいの大きさの火の玉がスライムに向かって飛んでいった。すごいな。マインの時よりすごい威力だ。かなりダメージを与えたようだ。のたうち回っている。ゲームみたいだ♪

「は?・・・・え・・・?」

(・・・・・ソウタ・・平気なんですか?)

「ん?どうしたんだ?二人共?」

よく見ると周りにいた人たち全員が呆然としている。

「ケイ。あんた魔法が使えなかったんじゃ・・・」

「え?お兄ちゃん。魔法使えたの?しかもこんなすごいの・・・」

なんかおかしかったかなぁ。 スライムもまだ死んでなさそうだし、もう一発しとくか。

さっきよりも鮮明に火をイメージして、「ファイア!」

さっきよりも多くの魔力が手のひらに集まるのを感じた。すると一戸建ての家くらいの大きさの炎が出た。

「うおお?」

これには流石にびっくりした。スライムに当てないと・・・よし、命中。すっごい威力だ。スライムは体をくねらせながら

焼け死んだようだ。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(一同)」

ん?どうしたんだみんな。まぁたしかに結構な大きさの炎が出たが、そんな呆然とするほどではないだろうに。

(・・・ソウタ。本当に大丈夫ですか?あんなすごい魔法使って。めまいがするとか、なんかないですか?

「ん?別になんともないぜ。それよりグランドスライム倒せたな!」

(おかげで倒せましたが、それより大変なのはソウタの方ですよ。)

「俺?なにが?」

(魔力量ですよ。たぶん今日の夜大騒ぎになりますよ)

「ああ、魔力量が多すぎるってか?でも言ったじゃないか。神レベルの量をもらったって。」

(いや、言われましたが、ここまでとは・・・とりあえずみんなで帰りましょう。話はそれからです。)

「そんな大事か。」

とりあえず呆然としてる周りの人たちを気付けして、帰る前にスライムの焼けたあとを見てみたら、キラキラした石が落ちていた。ケイ曰く「魔石」なのだそうだ。魔力が強いモンスターの体内にある石だそうだ。拾っといた。早速パンドラボックスを使ってみた。スッと入って便利だった。


夜ーーー。

ケイの家の前に椅子が置かれ、明かりとして松明が置かれ、村人全員が集まった。俺とケイ(体は一つだが)は真ん中に座らされた。周りを囲まれている。

「今から臨時セルト村会議を行います。今村長は不在なので前村長のゼイ爺が司会を務めさせていただきます。」


大変なことになった・・・


続く。

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