異常図書1343-6-6[明日スキップ今日ジャンプ]
分類:人格版画
人気推定値:11029vol
状況:封印
発見時の脅威:事故誘発/赤 強度の行動強制
現在の脅威:事故誘発/黄 強度の行動強制
作品の概要
1967年6月、青春小説███████に着想を得て制作された████のデビューシングル。
よりいっそう前へ、よりいっそう高みへと歌うポップミュージック。
異常の発現
歌詞を全て聞き取ると異常を発現し、作業が一段落した時や、集中が途切れた瞬間など、意識の空白が生じたタイミングで1番のサビを口ずさむようになる。
そして「ジャンプ」と口にすると同時に、前方に跳躍する。
駅での電車待ち、高所での作業中、車両の運転中など、時と場所を選ばず誘発される可能性があり、非常に危険である。
発見と対応
1967年6月から車両事故、転落事故などが異常に急増したため、異常図書の影響を疑って調査したところ、事故の直前に犠牲者が[明日スキップ今日ジャンプ]を口ずさんでいたという情報を得た。
そこで、事故の発生地点と[明日スキップ今日ジャンプ]の流行分布を重ね合わせたところ、これが概ね重なったため異常図書と断定。
しかし、異常図書1343-6-6は、既に全国的に拡散、浸透してしまっており、この影響を尋常の手段で取り除くことは不可能と判断。大規模被害の寛解手順[自由の焼灼プロトコル]に従い、歌詞を改変したものを人格版画化し、これを[明日スキップ今日ジャンプ]として頒布。記憶を上書きした。
元の歌詞は特別秘匿指定とし、専任担当官が封印の監視を行う。
流行歌由来のブームと判別できず、全国的な拡散、浸透を許してしまったことは痛恨の極みであるが、これ以上の先手を打とうとすれば、有害図書追放運動と同じ轍を踏むことになるだろう。
より安全で有効な大規模被害の回復手順開発、爆発的拡散が発生した場合への対応見直し等、可能な範囲で改善をしていきたい。
異常発現の原因
音と歌詞が強い共感を呼び起こす作用を保持しており、これが行動を喚起してしまうものと思われる。
平たく言えば、異常図書1343-6-6は出来が良すぎるために、心を動かすどころか、体まで動かしてしまう。
現状
現在、異常性による事故、および新たな異常性の発現は確認できておらず、封じ込めは維持できているものと見られる。
しかし、被害規模が極めて大であること、異常図書を利用する[自由の焼灼プロトコル]は苦肉の策であり、その信頼性には疑問があることから、現在の脅威は黄に設定しておく。
追記
世間は████の歌手生活50周年を祝っているが、我々は異常図書1343-6-6の封印維持50周年を祝っている。願わくば、さらに50年封印が続きますように。
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