異常図書焼却課アーカイブ

異常図書1413-3-1［仮称：D0wxwm9YEAHggwp.jpg］

分類：人格版画

人気推定値：非常に高い（数値化困難）

状況：封じ込めの維持　解析中

発見時の脅威：洗脳／赤　強度の行動強制

現在の脅威：洗脳／黄　再発の危険

作品の概要

　2019年3月、正体不明のアカウントから、動画配信者█████に対する応援のメッセージと共に送信された画像ファイル。

　この時は、ロボットアニメ作品████シリーズに登場するロボット█████████████のプラモデル写真だった。

　その後、俳優の████氏、着せ替え玩具の█████人形、猫等、57例が確認されている。

　ファイル名が異常性を形成する要素になっていると思われるため、念の為に報告書も仮称を割り当てて無力化しておく。実際のファイル名が必要な場合は、危機管理室に特別許可申請を行うこと。

異常の発現

　SNS上で、画像を送信された被害者（以降被害者A）が否定する形の反応をすると異常を発現する（発見時の事例では「いや誰が（異常図書1413-3-1の被写体）だよ！」と返信）。

　その時点で、異常図書1413-3-1の被写体は「被害者Aの姿の1つ」という扱いになり、被害者Aの反応と異常図書1413-3-1を見た者（以降被害者B）は、被写体と被害者Aを結びつけるトンチ遊びを始めさせられる。この過程で異常図書1413-3-1が副次的に拡散され、大規模な「祭」に至る。

　23例では無視、5例では肯定されており、この場合の影響は確認できていない。画像だけでは未完成で、被害者Aの反応まで含めて異常図書1413-3-1である可能性がある。

発見と対応

　2019年3月█日、WEB監視網が異常の兆候として███████社が運営するSNS上で大規模な「祭」の発生を捕捉。

　この時点では異常図書の影響によるものか、単にインターネット大喜利が盛り上がっただけなのかが判断できず、異常性を帯びている箇所の特定もできていなかったため、調査に当たった職員█人が異常性に曝露し、被害者Bになってしまった（事故報告提出済み）。

　2019年3月█日、「祭」の発端となったJPEGファイルの解析で魔術構造の埋め込みが確認され、異常図書と断定、削除した。

　さらに過去に遡って検索したところ、同様の特徴を持つ画像ファイル55件を発見。特筆すべき特徴として、███████社が運営するSNSでは、ユーザーがアップロードした画像ファイルに、固有のファイル名を再割り当てする仕組みになっているにも関わらず、全てが同一のファイル名を持っていた（ディレクトリ構造を不正に改変して実現している）。

　同時に、画像をアップロードしたアカウント管理者の特定を開始したが、正規のアカウント取得手続きを踏んでいないこと、███████社の社内でデータを入力したと思われることから、███████社の関係者に対して調査を行ったが、異常図書を制作した痕跡は発見できず、また関係者を拘束中に、新たな異常図書1413-3-1がアップロードされたことから、███████社が所有するサーバー内のなんらかの存在がアップロードしている可能性が高いと判断。

　問題のサーバーを押収し、ネットワークから隔離して以降、新たな異常図書1413-3-1はアップロードされていない。

異常発現の原因

　JPEGファイルのExifヘッダーに呪文、圧縮ノイズに偽装する形で魔法陣の埋め込みが確認されている。これがどのようにして生成されたのかは、現在解析中である。

　サーバー内に魔術関連の投稿が多数保存されていたことから、これらが相互作用して召喚事象を引き起こした疑いがある。

　大半が破綻しているか、もしくは非力な魔術で、松可奈式判定法でも0〜2点の範囲に収まるものだが、作為的に集中させられたものだとすると、未知の人物の関与があったことになる。この点について、さらなる調査を必要とする。

現状

　押収したサーバー内のデータを解析中。異常図書を生成した存在が電子データの形で潜んでいる可能性が高いため、これに接触した機器を外部に持ち出さないようにすること。

備考

　大喜利程度で済んだから良かったが、もし異常図書1413-3-1の被写体が指名手配中の殺人犯やテロリストなどだった場合、冤罪事件や人違い殺人などに発展した恐れがある。

　特に害が無かったというのは結果論であり、異常図書1413-3-1は強度の行動強制を引き起こす、紛れもなく危険な人格版画である。

　脅威度が低いとして放置した結果、重大事件に至った異常図書138F-5-4の事例を忘れるべきではない。

付記

あの、大喜利しかやらないんで、許してください。

！警告！ SYSTEM MESSAGE 2019-03-09-02:30:00

現在、このメッセージはアーカイブシステム全体に表示されています。

編集機能が緊急ロックされました。

［三八節郭清プロトコル］により2019年3月8日15時00分以降に作成、編集されたファイルは全て破棄されました。

アーカイブへの［霊界接触］、不正なログイン、異常図書によるデータ改ざん、その他なんらかの重大事象が発生した疑いがあります。

担当職員は［レモン爆弾の調理解体プロトコル］に従って、速やかにアーカイブシステムをチェックしてください。

本事象との関連が疑われる操作履歴 SYSTEM MESSAGE 2019-03-09-02:30:00

2019-03-08-15:28:42 ログイン ID:████████

2019-03-08-15:45:49 ログイン ID:████████

2019-03-08-16:50:05 大容量フラッシュドライブ 4GB

2019-03-08-16:48:59 ログイン ID:████████

2019-03-08-16:50:05 大容量フラッシュドライブ 128GB

2019-03-08-18:21:27 有線LAN接続 ██████

実行された操作の再確認 SYSTEM MESSAGE 2019-03-09-02:30:00

［三八節郭清プロトコル］により2019年3月8日15時00分以降に作成、編集されたファイルは全て破棄されました。

待機中の操作の再確認 SYSTEM MESSAGE 2019-03-09-02:30:00

担当職員は［レモン爆弾の調理解体プロトコル］に従って、速やかにアーカイブシステムをチェックしてください。