用語集
本資料はアーカイブ閲覧の補助を目的として制作された。
――――あ――――
異常知識
異常図書分類のひとつ。
筆者が知り得ないこと、誰にも知りようがないことが書かれている異常図書がこれに当たる。
岩戸の司書
伝承災害検知器。
伝承災害の要素を分割記録したテキストスキャナーで、国内の災害、事故等の記録を収集、検査している。
もし伝承災害が発見された場合、専属対応班が封印処置に当たる。
閻魔帳
国内の全プロバイダに導入されているアクセス遮断データベース。異常図書からWEBを守っている防壁のひとつ。
色やサイズを改変しても指紋のように共通の特徴が残る呪文や特異記号に対して絶大な効果を発揮する。反面、図の同一性を問題にしない魔術に対しては相性が悪い。
魔術に対する効果的なアクセス遮断技術は現在研究中である。
俺の嫁シナリオ
旧称ピグマリオンシナリオ。
召喚媒体に分類される異常図書の生成動機。
このシナリオで生成された異常図書の大半は、ただの人間を召喚するだけだが、3000年生きた大妖怪や、世界の始まりから存在するドラゴン、地獄の大悪魔などが召喚される可能性があり、潜在的な脅威度はかなり高い。
最悪の場合、破滅的事象に繋がる恐れがあることから、思想統制と表現規制の実験が行われた(参照:や―有害図書追放運動)が、現在、同様の実験は無期限に禁止されている。
――――か――――
脅威
異常図書が何を引き起こすか、どれぐらい迅速に対応する必要があるかを示している。
黒、赤、黄、緑の4段階評価になっており、黒は手遅れ、赤は緊急対応の必要、黄は緊急は要さないが放置できない、緑は現状無力化されていることを示す。
交戦規定
異常図書が召喚したものや、異常図書そのものと交戦するに当たって、使用が許可される武装、望ましい破壊の程度などをまとめたもの。
・
素早く制圧しなければならない脅威が出現した場合に発令される。武装は無制限に許可され、対象を完全に消滅させても良い。
――――さ――――
シャター法
特異記号、呪文の検出法。
shatter(壊す、粉砕する)の言葉通り、異常図書の内容をデジタルデータ化し、各文字の50%を欠損させた状態で、既存の文字、記号と一致しないもの、文字配列が呪文と一致するものを検索する。
直接確認しての作業が危険な異常図書を解析する際に用いる。
召喚媒体
異常図書分類のひとつ。
記述されているものを出現させる異常図書がこれに当たる。
致死性事象を引き起こすことが多く、図書凶器に近い性質を持つ物も多い。
出現したものを制圧、駆除しなければならないこともあり、これに対応するために、制圧・駆除・強襲部隊(SEAT)が常に待機している。
召喚料
召喚媒体に分類される異常図書は、召喚を行う際に、読者の血液や、異常図書の半径5メートル以内にある珪素など、何らかの物品を消費する場合がある。
人格版画
異常図書分類のひとつ。
人格、思想を版画のように転写する異常図書がこれに当たる。
突然攻撃的になるものや、異常行動に走るものは、すぐに異常図書と断定できるため迅速に対応できるが、一時的に感化された状態との判別が困難なものは、対応が遅れやすい。
また、一見無害なように見えるものでも、繰り返し影響されることで悪化し、異常行動を引き起こす場合があるため、注意しなければならない。
制圧・駆除・強襲部隊(SEAT)
警視庁特殊部隊に新設された異常図書対策部隊。
SEATはSuppression Extermination Assault Teamの頭文字。
――――た――――
伝承災害
異常図書分類のひとつ。
災害を引き起こす伝承がこれに当たる。
一見、災害の記録と判別できないが、詳細に調査すると再発防止策や減災施策が不自然に失敗している、被害者へのインタビューを行うと人格版画様の影響が見られる等、明確に異常性を示す。
災害対策のために伝承災害と化した記録が参照され、さらに災害が発生し、その再発防止策を練るために、再び伝承災害が参照されるという負の連鎖に陥りやすく、それをきっかけとして発見されることが多い。
基本的に「何が起こるかはわかるが、何故そうなるかがわからない」ことが多く、再制作が非常に容易なために、偶然に生成されてしまうこともあり、伝承災害の封じ込めは非常に困難である。
下手に情報を書き込むと、それ自体が伝承災害の複製と化すため「どのような伝承災害が存在するのか」という記録を残すこと自体が危険なのも厄介な点である。
これに対応するため、情報を電子化し、分割記録した伝承災害検知器[岩戸の司書]が災害、事故等の記録を検査している。
特異記号
異常発現の原因となる記号。
圧縮された呪文であったり、土着信仰の超常存在と対話するための文字であったりすることが多い。
比較的頑強なものでも30%以上欠損させることで異常性を喪失するため、照合用の資料は4つに分割して鉛のケースに保管する。
特異知的生物
体組織、DNA等、実在の証拠が得られている人間以外の生物で、異常図書の制作に関与している疑いがあるもの。
妖怪、悪魔、妖精として言い伝えられている場合があり、異常図書が制作された土地が特定できれば、その土地に蓄積された特異知的生物の情報から、異常発現の原因や被害者救済の手段を探ることができる。
図書凶器
異常図書分類のひとつ。
広げると顔に張り付いて窒息させる、挟まれた指を引きちぎるなど、致死傷性事象を引き起こす異常図書がこれに当たる。
――――な――――
二重世界仮説
この世界と重なるように存在する世界があり、霊界接触や人魚姫シナリオ、作動原理不明の異常図書は、その世界からの干渉によって発生している、とする仮説。
傍証は多いが、確たる証拠は未だ得られていない。また、二重ではなく多重であるという説もある。
人気推定値
直近1年の、1巻当たりの売上部数推定値を100で割ったもの。単位はVolumeを省略したvol。
例えば、直近1年に4巻が出ていて、売上部数が40万である作品は、巻数の4で割って10万、それを100で割って1000vol、というように算出する。
単行本化されていない場合は閲覧数などから推定する。
この数値が大きい異常図書は、異常性が軽微でも脅威度が高い。
人魚姫シナリオ
召喚媒体に分類される異常図書が生成される原因。
霊界接触によって筆者が超常存在に操られ、超常存在の召喚儀式として異常図書を生成する。
俺の嫁シナリオと似ているが、俺の嫁シナリオで召喚されるものの大半が人間なのに対し、人魚姫シナリオでは確実に超常存在であるので脅威度がはるかに高い。
――――は――――
ピグマリオンシナリオ
俺の嫁シナリオの旧称。
しばしば新人職員に詳細を説明しなければならなかったことや、うろ覚えの職員が誤記する事例が続発したほか、ピグマリオン効果との混同により自己成就予言と勘違いされるなど、多数の問題を引き起こしたため、2008年、よりわかりやすい表現として、俺の嫁シナリオに改称。
電子化されたアーカイブは、これに合わせて置換作業を行ったが、上記の通り誤記が多かったため、完全ではない可能性がある。
もし置換漏れを発見した場合は、保安管理室までご連絡ください。
フラウンノイズ
frown(顔をしかめる)の言葉通り、顔をしかめずにはいられない極めて不快な音。
音に強く意識を引き付けることで、異常図書の有害な影響からの切り離しを試みる。
まったく効果が無いこともしばしばだが、効くときは劇的に効く。
――――ま――――
松可奈式判定法
異常図書の特徴をまとめたチェックシート方式のテスト。このテストで5点以上になるものは、異常図書と判断される。
このテストで高得点を出す異常図書は、脅威度も高い傾向にある。
――――や――――
有害図書追放運動
これは、異常図書による被害を低減するため、思想統制と表現規制によって、そもそも異常図書になると困るようなものを生成しない人間を育てようという実験計画であった。
しかし、実験群が置かれた抑圧的な環境は、理想の恋人どころか世界の破壊者を直接に召喚する動機となることが判明した。
実験群███では実際に異常図書が生成され、██人が死傷している。これだけの被害で済んだのは本当に幸運だった。我々は破滅的事象の危険を低減する実験で、破滅的事象になりかねない致死性事象を発生させたのである。
この結果を受けて、同様の実験は無期限に禁止された。実験記録も悪意を持って再現される可能性を考えて閲覧禁止となっている。
妖怪図書
異常図書分類のひとつ。
脅威度で言えば放置できるレベルだが、床や本棚に突然出現する、紙とインクと接着剤のみで作られているのに音や立体映像を出す、127ページをめくると表紙に戻ってしまう等、明確に異常性を示す異常図書がこれに当たる。
動くものは図書凶器との線引きが困難な場合がある。
――――ら――――
霊界接触
何らかの超常存在と接触したと思われる事象。
異常図書が生成される原因になったり、異常図書によって引き起こされたりする。
――――わ――――
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