続・怪体心書

杜都醍醐

続・その一 極光の下で

「人間より怖いものは、存在しないな」

 氷威にそう語るのは、福田祥彰ふくだひろあき。この地方の会社員で、どこにでもいる雰囲気の男性だ。しかしその過去は、先ほどの台詞にかなりの説得力を与えるほどであった。

 福田の話には、幽霊だの怨念だの呪いだの妖怪だのは一切登場しない。ただ彼の昔話を話してくれただけだ。

 だからこの話は没にしようと氷威は思った。そして部屋に戻ってノートパソコンを開くと、メールが一通届いていた。

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