贖罪 Ⅴ

 

『前略 直樹へ 

 これをお前が読んでいる頃、私は既にこの世にいないだろう。

 というのも私は犯した罪を清算するためにこれから山中で命を絶つからだ。

 私は人を殺した。それも三人もの命を奪った。その内の一人は幼子だった。興奮していたとはいえ私はなんという残酷な事をしてしまったのだろう。私は橋爪勇次だけを殺すつもりだったのに、勢いに任せその父と、小さな子供まで手に掛けてしまった。

 それだけでも許されないのに嘉樹の濡れ衣を晴らす勇気もないのだから、こんな親など生きている資格は無い。だからこれより首を吊って死のうと決心した』

「──な、何!」

 直樹の腕はがたがたと震え出し、顔は真っ青になった。そして食い入るように残りの文章を読んだ。

『殺人を犯して間もなく、私は階段の脇から誰かに声を掛けられたのを覚えている。今思えばあれが嘉樹だったのだ。組の仕事で橋爪邸を訪れたものの、異様な気配に気付き二階に上がってきた所、殺害現場に立ち尽くす私の姿を目撃したのだ。

『おい』とその声は言ったが、私は品物を入れたバッグを手にして男を突き飛ばし無我夢中で逃げた。階段をひた走り、靴を履いて逃げた。急がないと声の主に捕まってしまうと危惧した私は小高い山に向かい駆けに駆けた。

 幸いあの近辺は果樹園や林が広がっており、誰一人とも遭わなかった。

 凶器の包丁を片付け、通り掛かりの池の水で、腕や顔に飛んだ返り血を洗い流し、近くの牛舎の物干しに干してあったポロシャツとチノパンを見付けた私は血だらけのシャツとズボンを脱ぎ、それをバッグに突っ込むと勝手に頂戴した衣服に着替え、自前のサングラスを掛けて野間駅まで行き、そこから知多線に乗り名古屋へ向かった。

 財布にはそれなりの金額が入っていたから取り敢えずどこか遠くへ逃げようと考えた。

 あれ程の大事件で逃げ切れるはずもないのに可笑しな心境だ。新名古屋に着くと金沢行きの切符を買った。やはり知らない街に逃げるのは却って迷いそうな気がして故郷を選んだ。

 金沢に着いたのは夜中一時を回っていた。近くのビジネスホテルで一夜を明かすと私はこれからどうすべきか思い悩んだ。一時は自首も心に浮かんだが、それは自分が許さなかった。

 後述するが橋爪はとんでもない悪党なのだ。私は悪魔を葬り去ったのだ。

 だから殺人鬼として自分が警察に連行されるのは想像出来ないし、刑務官の直樹にこれを言ってしまえば恥ずかしい限りだが、あんな幼子の命まで奪ったのだ、恐らく死刑判決が下されるだろう。けれど私は絞首刑だけは晒し者みたいで容認しない。人を三人も殺した私にそんな身勝手な主張をする権利がないのはよく判っている。しかし、私は見ず知らずの他人に首を吊られるくらいなら自死を選ぶ。

 話を本線に戻そう。私は結論が纏まらないまま次の日の夕刻を迎えた。

 事後が気になった私はテレビをつけニュースにチャンネルを合わせた。

 すると手錠をかけられた嘉樹が公衆の面前でマスコミに囲まれ悪意のフラッシュを浴びているではないか。それも私が起こした事件の犯人として。

 私は愕然とした。特に翌々日に行われた警察の会見にはもっと驚いた。愛知県警は嘉樹を犯人と決め付け、まともな捜査もしないまま虚偽の自白に満足し、或いは証言の食い違う箇所を誘導修正し、帳尻を合わせた上であの子を留置場へ送った。嘉樹は何もしていない。全くの冤罪だ。

 きっとあの子は目撃者に自分が犯人だとアピールするため故意に顔を傷付け、衣服の血痕もわざと血の海に倒れて付けたのだ。文化包丁云々うんぬんは私の刺した痕をカモフラージュするため橋爪の台所から持ち出したもので遺体を何度も刺したのだろう。火を放ったのも、あの子は頭の良い子だ、それ如きの偽装工作では犯行が隠しきれないと気付いて、灯油を探し出し、絶命していた橋爪勇次へ振り掛け、証拠湮滅のため遺体ごと家を焼いたんだと思う。

 嘉樹は無実だ。いや、死体損壊と窃盗、放火の罪はあるかもしれないが殺人はしていない。二人を殺し、子供の首を切り落としたのは私だ。誓って言う。あの事件の犯人は私なのだ。

 だから直樹よ、この遺書を公表し、嘉樹の無罪を証明してやってくれ。妙子とお前の家族に災いを振り掛けるのは重々承知しているが、それでも頼む、嘉樹を助けてやってくれ。お前のたった一人の兄を暗い牢獄から救い出してやってくれ。

 実はお前は一度、高校入学から間もない頃嘉樹から助けてもらった恩がある。多分真相は知らされていないだろうが、いや、これは私も嘉樹の知り合いから聞き知ったのだが、嘉樹は上級生のリンチからお前を守るため身を挺して救ったのだ。お前の性格ならば相手を殺しかねないと嘉樹は自分を犠牲にし一人退学になった。それをずっと黙ったままでいた。これからも多分そうだろう。

 私が事ある毎に幼少期の嘉樹へ様々な聖人君子の話を聞かせたせいか、嘉樹は心の内では自分より相手を大事にしようとする生き方を選んだようだ。形式上は兄となった責任もあったのかもしれないし、家長として周りの人間を必死に守ろうとしたのかもしれない。しかしそのため知らず内に極端な自己犠牲を強いてしまった。

 昔、私は聖岳に嘉樹と登った折、あの子に『イサクの燔祭はんさい』という聖書の、アブラハムと息子のイサクのエピソードを聞かせた事がある。

 神がアブラハムを試すためにイサクを捧げ者として殺すよう命じ、イサクは逆らわず父の信仰のために黙って薪の上に寝て刺し殺される覚悟を決めた。その寸前で神はアブラハムの信仰を認めイサクは事なきを得たのだが、嘉樹は今まさに父アブラハムのため生け贄になろうとしたイサクと化している。私を名古屋港に沈めたと警察を欺き、逃亡中のこの愚かな父の身を案じている孝行息子を是が非でも助けたい。一時の愚かな感情であの子を東の家から追い出してしまった後悔もある。

 直樹よ、嘉樹はお前と並んで私の誇るべき双生の樹だ。だからこのままでは必ず死刑になるだろう嘉樹を、きっと最後まで狂言を打ち、敢えて憎まれ役を買って出るだろう兄を、いや弟を双子の兄のお前が助けてやってくれ。頼む。

 私は、ホテルには迷惑は掛けられないので、これから子供の時薬草を摘みに行った医王山に赴きそこで死を遂げる。詳しい犯行の動機や殺害方法は別紙に書き留めておいた。そして凶器や証拠品、また橋爪の悪事の根本を成すフロッピーもランドリーバッグに保存しておく。

 私は数日間悩んで県警に何度も電話を掛けようともしたし、手紙も送ろうとしたが怖ろしくて出来なかったし、これらを小荷物でお前に送り届けようとも考えたが、血の付いた包丁や衣服を、もし妙子が開けたら繊細なゆえ気が触れてしまうに違いない。だから私はこれを背負ったまま出来るだけ人目に付きやすい林道で自裁する。

 外の天気は酷く荒れそうだが、私のしかばねを誰かが一刻も早く発見してくれる事を祈りつつ筆をおく。

 では直樹、嘉樹の件はくれぐれも頼む。そしてお前に良き将来があるよう願っている。                                                                     早々

                    一九九八年八月十七日  東俊昭』  

 直樹は次いで別封の便箋に目を通した。

 それによると犯行に至った動機は昔の上司であった橋爪が暴力団の裏金を洗浄し、また不正融資を巧妙に行っていた事実を突き止め、既にヘッドハントで銀行を替わっていた彼に自首するよう詰め寄った事から発生したと書いてあった。

 マネーロンダリング、不正融資等のリベートで私腹を肥やしていた橋爪にとって過去の部下からの糾弾は想定外であった。発覚すれば背任罪等で訴えられ、今までの人生が水泡に帰すと危ぶんだ橋爪は俊昭を様々な甘言で籠絡しようと試みたが、頑と断わられた。

 切羽詰まった橋爪は次に取引を始めたばかりの新たな組織を背景に脅しを掛けてきた。

 息子や嫁がどうなっても構わないのか、自分が逮捕されれば組は困るし、秘密を握っただけで奴らは容赦しない。そうなるとお前の家族など皆殺しにされるぞ、と。

 俊昭は最初嘉樹を頼ろうとしたが、調査すると橋爪の背後にいたのは扶桑會と対立関係にある巨大組織と判った。俊昭は嘉樹を余計なトラブルに巻き込まないためにも単独で橋爪殺害を計画した。そして運命の八月十日、休日業務を早めに切り上げた俊昭は、普段とは全く違う登山靴を履き、簡単に変装してタクシーで南知多に向かった。自家用車では車種とナンバーを目撃されるかもしれないと案じたようで、途中リカーショップで一番値の張るシャトー・ディケムを二本買い求め橋爪家を何年か振りに訪問した。

 懐柔された振りと、詫びの高級ワインにすっかり気をよくした橋爪は俊昭を二階にある自分の書斎へ招き入れた。そこで早速酒宴となり、俊昭は隠し持ってきた粉末の睡眠薬を橋爪のグラスに混入した。間もなく橋爪は眠りに落ち、その隙に部屋にあるだろう背任の証拠を探した。

 書斎の構造は以前訪れた時によく覚えていたので捜索は簡単であった。

 思った通り、Bと記された三枚のフロッピーディスクFD(昔の記憶媒体の一つ。軽量小型の薄く柔らかい磁気ディスク)が机の引出奥から見付かった。

 俊昭は急いで机のコンピューターに挿入してみた。

 勘は当たっていた。FDは正しく稲崎組との取引内容を克明に記した裏帳簿であった。

 フロッピーのコピー後、再び多量の睡眠薬入りワインを橋爪の胃に流し込んで殺害する。念のため、書斎へ引いてあった暖房用ガス栓を開放する。橋爪がワインの蒐集家であり、無類の愛飲家でもあるのを熟知していた俊昭は単なる殺人でなく偽装を企んでいた。

 睡眠薬とガス中毒による自殺の理由はFDが示してくれる。暴力団との闇の繋がり、組織に脅された上での自殺。警察はそんな判断を下すだろう。

 俊昭は橋爪が自分に仕掛けたのと同じ暴力団の見えない圧力で先制攻撃に出た。遺書はパソコン画面で「組の要求は呑めない。殺されるなら死ぬ」と打っておけばいい。そして最後に自分が橋爪家にいた痕跡さえ消してしまえば完全犯罪が成立する。

 これが俊昭の立てた殺人計画であった。

 だが、目論見は頓挫とんざした。俊昭が訪問した日曜は必ず勇次以外の家族は夜中まで外出しているはずなのに、隣の部屋から俊昭の行動を一部始終覗いている者がいた。

 それが勇次の父啓治で、啓治は激しく俊昭を責め立てた。予想外の成り行きに頭が真っ白になった俊昭は万一のため持参していた出刃包丁で老人の心臓と喉を突き刺した。次に、叫び声で目を覚まし、泣いて逃げ出そうとした孫娘の首にも刃を振り下ろした。

 俊昭はこの時、何が自分をそうさせたのか分からなかったという。また正気が戻り掛けた橋爪に気付いた俊昭は棚にあったビニール紐で椅子ごと縛り上げ頸部を一刺しした。

「FDは不正融資と資金洗浄の決定的な証拠です」

 遺書を手にしたまま微動だにしない直樹へ韮崎は告げた。

「金沢にある二十四時間営業のビジネスホテル、愛知のタクシー会社、リカーショップ、遺書の裏付けは取れました。記述は逐一真実です。シャツの返り血は被害者の血液型と一致します。牛舎での衣類の盗難も確かめました」

 次いで安田が、嵐によって深い窪地に落ち込み、流れた土砂や薙ぎ倒された木が遺体に覆い被さり発見されにくかった経緯を補足したが、耳には何も入ってこなかった。

 破裂しそうに膨らんだ直樹の恐怖心を僅か六文字が全て支配していた。

「冤罪死刑執行」である。


「さて、対面も済んだようだから本題に入ろう」

 隣室へ戻ってきた顔面蒼白の直樹へ椅子に深々と腰掛けていた溝口は傲岸な態度を崩さず淡々と話し出した。

「これは由々しき事態だ。日本国を根底から覆しかねない重大な問題だ。東君、解るかね」

「はい、ただならぬ過ちです。警察と司法と行刑の取り返しのつかない、有り得べからざるミスで尊い人命が──」

「おい、誤解してもらっては困る」

 溝口は大きな掌を向けて反省の弁を遮った。直樹は「は?」と目を見開いた。

「当局は誤審や冤罪など懸念していない。そんなものは別に珍しくない。他の存置国でも起こっている事だ。一人二人手違いで死んだところで司法の安定は揺るがんよ。死刑存置は衆意で刑罰の最後の砦だ。特に何も影響はせん」

「!」

「何をそんなに取り乱している。いいかね、私が重視しているのは自民党勝利後の総裁選だ。この事件が明るみに出てみろ。世論は死刑反対の酒井に傾く。党とて国民を無視する訳にはいかんから人気取りのため酒井を据える。酒井は昔から局を攻撃してきた人間だ。総裁になれば行刑に、やれ、『懲役に人並みの人権を』とか『管理方針を緩和しろ』とか煩わしい改革を迫ってくるのは明らかだ。表向きは改革を推し進めたクリーンな行刑で、深部は飽くまで密行主義でよい。陰の実態を公表すれば当局は足下から崩れる。さすれば風当たりは矯正にとどまらず、司法、警察機構まで広がりをみせるだろう。これでは日本は壊乱して民の安全は保証出来ず国家の安危に関わる。また万一、死刑の代わりに仮釈放のない絶対的終身刑でも導入されれば、その刑の宣告は増えていくに違いない。そして施設や設備の増設を余儀なくされ、法務省と、増税される国民に多大な負担が掛かる。下級とはいえ君も刑務官なら至難な理論ではないはずだがね」

 長広舌を振るった溝口はダビドフの空箱を握り潰し直樹をめ付けた。

 矯正最上位の上司に対し、最下位の直樹は静かに答えた。

「今日見聞きした一切に口を噤めと仰るんですか」

 飲み込みの良さに機嫌を直した溝口は二箱目のダビドフの封を切り、その一本に点火すると、しゃくぜんと立ち上がり直樹の前に寄った。そして、同じ高さの目線で部下の瞳をじっと見据えた。

「有り体に言えばその通りだ。真相が公表されれば君の父親は被疑者死亡のまま書類送検されるのは言うに及ばず、君も免官にはならずとも施設にはとても居辛いだろう。しかしだな、忘れてくれるなら話は別だ。特例で四級の特進を約束しよう」

 直樹は切れ上がった眼差しを見返した。

「四級特進、それでは首席か上級統括となりますが」

 乗ったと溝口は北叟笑ほくそえんだ。

「足立官房長官が総理に就任すれば法相も傀儡かいらいだろう。新大臣に事務次官を通して出世の梯子を用意してやる。そうすれば君の将来は安泰だ」

「では局長もこれを踏み台にしてもっと高い地位に昇れますね」

「まあ、お互い円熟した大人だな」

 官僚の臭味を漂わせ、醜怪に頬を緩ませ溝口は何度も目の前の肩を叩いた。だが、直樹はいきなり表情を硬化させ、腕を振り除けるとその襟首を掴んだ。

「ふざけんじゃねえ」

「な、何だ?」

「人が一人間違って殺されたんだぞ。保身のために事件を揉み消せとはそれでもあんたは国家公務員か」

 直樹は失望と羞恥が入り交じった怒りで局長の背中を棚に叩き付けた。まさか法務省の上官に突っ掛かるとは予測もしていなかった科捜研と科警研の二人は慌てて介入してきた。

「国家公務員だからだ」

 安田と韮崎を引き退け溝口は二回咳すると直樹の前に立ちはだかった。

「小僧、覚えておけ。兄弟が死んだくらいの甘っちょろい感傷で法は決して動かん。これからの資本主義は貧富を完全に二極化し、低学歴や貧乏人を一段と死に走らせるだろう。自殺者は勝手に死ねば良いが巻き添えに他者を殺してもらっては困るのだ。殺人には全て絞首刑を適用してもいい。それ程モラルは低下している。死刑制度に犯罪抑制効果があるかどうかなど問題ではない。風紀が紊乱びんらんしたこの世は圧政で抑えるしかない。死刑という強権を持って国家が国民をコントロールせねばならんのだ。いいか、よく考えろ、もう一度だけチャンスをやる。我々の庇護ひごを受けるか、それとも司法を敵に回すか」

 忽ち直樹は怒張した肩を平らにした。その急変に溝口は思う壺にはまったと片笑んだが、直樹はポケットから取り出した刑務官手帳に入っていたプラスチック製身分証明カードを抜き出し、それを地面に叩き付けると、局長の仰天顔へ言い捨てた。

「悪魔め、地獄へ堕ちろ」

「貴様、自分が何をしているのか解っているのか。あの新堂衆議院議員が親類の私に逆らうのは国を敵にするのと同じなんだぞ」

 溝口は遂に本音を吐いた。国家の安否を憂えているのでもなく、己だけの欺瞞の梯子が見えた。直樹は「溝口さん」と役職名も付けずに呼び掛けた。

「一度大型クルーザーから降りていかだで沖へ漕ぎ出すのをお勧めしますよ。そうすれば本当の天空クラウド・ナインに少しは近付けるでしょう」

「──何を訳の分からん事を」

 溝口は寓意が解せず口を歪めた。その時黒スーツのポケットに入っていた携帯が鳴った。

「私だ、何だ」

 局長は乱れたネクタイを片手で直しつつ応対したが直ぐさま生色を失った。

「何、地方紙に美浜事件をリークされただと。何故漏れたんだ。発見者には口封じを命じておいただろう。マスコミは? 記者ぶんやが省に殺到している? 何とか対処しろ。出来ませんじゃ済まん。私が帰るまで巧く誤魔化せ、いいな」

 顔を真っ赤にして電話を切った局長は直樹に背中を向けた。

「私は急用が出来た。さっきの取引は無しだ。全部忘れろ」

「ええ、私は一向に構いませんが、真実はいつまでも隠蔽出来ませんよ。特に法務省が警察庁と共謀して真相を闇へ葬った亀山事件のようにはね」

 ぎくりと溝口は停止した。何か嗅ぎ付けたのかと振り返って驚愕を浮かべたが、直ぐに引きった笑みを作り、「何の事だね」と逃げるように東京へ戻っていった。



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