空舟 ツリーランドの秘密のパーティ
一葉(いちよう)
第1話 ツリーランド秘密のパーティ その1
前回の空舟のテスト飛行はあと三メートルで成功!で締めくくる寸前に私の体力が限界に達し、下で待ち受けていた黄昏さんの上に墜落。
おまけにその後凶暴なイノシシに襲われ、何とか撃退したものの反省(特に私)の多いテスト飛行となった。
で、次は夜間は止めよう、でも昼間に空を飛ぶと大騒ぎになるかもしれない、と言うことで、夕刻にすることになった。
そうその昔には逢魔が時、魔物に出会う時間と言われていた時刻、まさかね。
学校(中学生)が終わって午後五時、学校の門から北に数十メートルの所に学校の前を流れる川に掛かるつり橋が有る、渡っても山に入る道しかないほとんど人が通らない橋を渡ったところで待ち合わせをした。
ここなら人に見られても中学生たちが遊んでいる程度にしか見られないだろう。
私は背中に大きなリュックを背負っている、中身は空舟、信じられないだろうが空を飛べる船、背中に背負えるのはゴムボートの様に空気で膨らませるから。
ってそれじゃあまるでゴムボートそのものみたいだけど材質が全く違う、破れない、燃えない、それでいて軽い。
ちなみにハサミで切ろうとしてもカッターで切り裂こうとしても破れなかったと言う優れものだ、これを公表するだけで一生食うに困らなくなると調べたものが申しておりました、地球に無い物質だそうで。。。
保管されているのは影丸(女子、私よりうーんと(横から)『違う!』えっと、少しだけ年上の)達が住む『月の民』の村。
今日は車で送って貰った影丸が姿を見せるなり「これは姫の荷物だから自分で持ちなさい」と
この子は村長が居ないと途端に態度がデカくなる、月の民の『姫様』である私に対して。
それはともかく、この空舟は誰でも飛べる訳ではない、私の神秘的な(だれ魔物的なんて言ってるのは)風を操る力で船を浮かばせる。私が居ないと飛ばせない船だ。
もっとも私が風を吹かす事など出来はしない、一見ただの布人形、実は私の使い魔風使いの妖し、フタギを操っているだけ。
いや操っているだけではない、私の体力を与え続けなければすぐに風は止まる。
強い風を吹かせる時には全力疾走をしている以上に体力を奪われてしまうのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます