第23話 波のゆくさき
「この曲いいね」
「持って帰っていいですよ」
「ありがと」
車を降りて
両腕を上げて伸びをするリツ。
「やっぱここ、気持ちいい!」
ひざまくらでまどろむ。
「ねぇ、もし結婚するなら、花さんみたいな人がいいなぁ」
「私みたいな変わり者なかなか居ませんよ」
「変わり者なの?」
「レンタルで働こうって思うこと自体が
変わってると思いますよ」
「確かに…」
「なんでレンタルしたの?」
「人の役に立ちたかった。でも…今思えば
刺激が欲しかったのかも」
「ふふ、刺激的になったね」
「ほんとですね」
海に入る二人。
「この前よりあったかいね」
「うん、気持ちいい」
スカートを束ねて歩く花を
後ろから優しく抱き締める。
「やっ!ダメですよ!」
「少しだけ。やっぱり全身柔らかいんだ」
髪、耳、頬へとキスしてゆく。
「いい香り」
「ダメですよ、会えなくなっちゃいます」
「ヤダ」
「そうだ、デザートあるんだよ」
花の手を引いて戻る。
デザートのチーズケーキを食べながら
アイスコーヒーを飲む。
花が膝の上にハンカチを広げる。
「そのハンカチ、いつも持ってるね」
「お気に入りなんです」
「ふぅん」
山田から貰ったことを言わなかったことが
逆にチクリとささる。
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