第20話人のもの

カフェで待つリツ。

扉がひらき、花が入ってくる。

リツが手を上げる。

「こんにちは。素敵なお店ですね」

花が握っていたハンカチをテーブルに置く。

「味もいいよ」

「ほんと、サンドおいしかった!」

「いらっしゃいませ」

「サンドとレモネード、2つずつね」

「はーい」


「やっぱりおいしい!

レモネード、サイコー!」

「でしょ?」

「海、楽しかったですね」

「だね。今度はどこ行きたい?」

「あの海、もう一度行きたいなぁ」

「オレも」


サンドを食べるのもエロい。

唇をなめながらリツと目が合い

恥ずかしそうに笑う花。

「兄貴と会った?」

「はい、今度ドライブに行きます」

「やっぱ行くんだ」

くくくと笑うリツ。

「兄貴、頑張ってるなぁ」

「お昼はやっぱりここのサンドがいいなぁ」

「朝早くからやってるから買っていきなよ」

「そうですね」



花が帰った後のカフェ。

「もしかして、あの人がターゲット?」

「やっぱバレた?」

「まぁ、いい女ね。くやしいけど」

「だろ?」

「いい女はね、靴を見れば分かるの。

ピカピカのハイヒールだった。歩き方も良かったわ」

「おぉ、マスターのお墨付き?でも、人のものなんだよねー」

「あらリツちゃん気にするタイプだった?」

「だって、お母さんだよ。

子供が悲しむでしょ」

「ほんとあんた男前よね❤」

肩をグリグリされる。

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