パラレルタラレル

カゲトモ

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「どうしてタイムマシンってできないんでしょうね?」

 そう本当に不思議そうに訊くから、こっちが戸惑ってしまう。

「そうですね・・・神の領域だから、とか? でしょうか」

「ふふ、何それ格好いい」

 ちょっと笑わないでよ。確かにちょっと格好つけたけど。

「まぁ文明がそこまで進化できていない、ってのが一番の原因なんでしょうけれど。第一時間を行き来する機械ってどんなのでしょうね?」

 引き出しのおくにあるアレじゃなくて?

「あれはあれでロマンがありますけれど。正直あの機械は乗っていて怖いと思います。囲いがないし、振り落とされたらもう一生戻って来られない気がします」

「確かに、その通りですね」

 振り落とされて全く違う過去や未来に取り残されてしまったら。未来ならまだしも過去ならタイムマシンなんて絶対にないし、もう一生そこで暮らすしかないじゃないか。

「もしかしたらこの世の中の、とてつもない天才、例えばアインシュタインとか、電子レンジを発明した人とか。そういう人はタイムマシンから落っこちた未来人かも知れませんね」

 アインシュタインから電子レンジを発明した人まで飛ぶの? ある意味凄い天才には違いないんだろうけれど。

「それこそロマンがありますね」

「あ、マスター信じていませんね?」

「この私が? こう見えて私、ロマンチストで通っているんですよ?」

 まだ一度もタイムマシンを拝見したことはないけれど。

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