二十八 真直ぐな人

女装から始まって、男の娘に、進化した……、僕のデビューが、狐娘へ、証拠写真も撮られてしまっているなか、お母様に、凄く褒められて、お姉様には、試験頑張ると言っている。早く脱ぎたいが、値段を聞いて、脱ぐ事が、出来ないでいる。

「フルグル、なんか、表情が、暗いけど大丈夫?」

「大丈夫です(パタパタ)」

「尻尾もご機嫌のように、パタパタしてるから、大丈夫よね」

 そうか、感情で、魔力の影響で、動くのか……。悩んだ動作をすると、耳が動く――。

「フルグル、尻尾モフモフしていい?」

「取れないように、ゆっくりならいいと思います」

「わーい、ふさふさだぁー」

「頭も、モフモフする、癒されるなー」

 なぜだろうか、顎の下も撫でられる……。凄く、くつぐったいぞ。

「すみませんが、そろそろお時間です」

「エェェェェ、もう、もふりタイムは、終わりですか……」

「着けてから、一時間で、終わりなのですが、続けますか?」

「勿論、お願いします(駄目よ)」

 凄い、言葉が、同時になってる。

「お母様、何故ですか――」

「これから宿に、戻ったら、勉強するのでしょ?」

「写真は、もう、いらなくなったならいいですけど?」

「いります、勉強します」

「それなら、試験頑張らないと駄目よ」

「そうでした、その写真があれば、こんごもごもご……」

 ねぇ、カメッリアお姉様、それ何に使うの、凄く気になるだけど!?

「フルグルのかっこも見納めか、勉強頑張ろう……」

「それでは、衣装の方外す為、また着替えてきますね」

「お母様、行ってきます」

 手を振ったつもりが、何故か耳が片方ぱたりとたおれる。

「あらあら、そんなに、残念だったの、また今度借りましょうね」

 あれ、そんな事、一度も言ってないですよ、お母様……。

「それじゃ、行きますね」

 今回のお子さんは、とても可愛かったわね、こんなにも、赤髪の子が、可愛いとは、この間の集会いらいだわ。

「この後、衣装取ったら、何かあるのですか?」

「衣装取る前に、良ければ、もう一枚写真撮ってもいいですか?」

「僕を撮るの?」

 写真が、二枚になるのかな? それなら僕が、もらえるのかな……。

「撮った後に、あそこに、飾ってある所に、貼りますけど、問題ありますか?」

「あ、いいですよ、飾って下さい」

「これも何かの縁ですから」

「有難う御座います(パタパタ)」

 尻尾が揺れている、本当に、嬉しいだな。

「すみませんが、こんなポーズでも良いですか?」

「解りました、これでいいですか?」

「可愛い、それを撮ります(カシャ)」

 素直な子、領主様の子と、同じくらいかな?

「有難うございました」

「こちらこそ、有難うね」

 凄い、真直ぐな人だな、話をしていて、凄く良かった。その後、衣装も着替え終えて、お母様の元に戻る。

「その顔も、いつもらしくて、良いわね」

「アァァァ、戻っちゃった」

「カメッリアお姉様」

「ん?」

「写真頑張って、ゲットして下さい」

「勿論頑張ろうよ」

「駄目な時は、僕が、貰ういますので――」

「それは、絶対に、も、ら、う、か、ら、ね」

 その後、宿に向かい、女装を着替えて、普段着に戻る。これで、ゆっくりできるとベットの上でごろりと、横になり、少し疲れているので、そのまま眠りについた。

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