第2話

俺は皆との自己紹介を終えた後、自分の個室へと向かった。そして、俺はベッドの下を探った。


木狩「…あった、これか。」


俺が手にしたものは、携帯は携帯でも、ガラケーなるものだった。


木狩「確かここに契約とルールが…。」


と、携帯を操作すると、契約とルールが書かれた画面が開いた。


────────────────────


木狩秀輝さん


「契約」


あなたの契約は

です。

なお、接触したとコンピューター、もしくはゲームマスターが見なした場合、契約違反となり、あなたは死にます。


「ルール」


皆様で殺し合いで二人になる、もしくは地下から脱出を目指してください。


1.監視カメラやモニター、携帯などの破壊はしないこと。


2.就寝時間までに個室に戻ること。


3.地下ではゲームマスターの指示に従うこと。


、以下のことを踏まえて生活してください。ルールを破った方には、死を与えます。


────────────────────


木狩「俺の契約は肌で他人の携帯に触れることか…。衣服の上からは大丈夫だから、気を付ければなんとかなるか…?」


そして、俺が気になったのは最後の方にある、という言葉だ。これからルールが追加されるっていうことか?


そんなことを考えつつ、俺はこの個室を少し調べた。すると興味深いものが、机の引き出しから見つかった。


木狩「これは、手紙?」


それには、


────────────────────


木狩へ


お前がこれを読んでいるということは、俺はまた失敗したのか。ゲームマスターから詳しいことは書かないように言われたから、手短に。


なんとしてでも生き残れ。それがお前の使命だ。もう、この惨劇を、お前が止めろ。


P.S.この願いはきっと、俺と、の願いだ。


────────────────────


木狩「なんだこれ…?」


完全に俺あての手紙だ。だが、文章が理解できない。

…今分かることは、この手紙の作者は、俺のことと、ゲームマスターのことを知っているということか。


木狩「それでも、全く分からないな。」


俺はその手紙を引き出しに戻すと、その他に何かあるか探った。しかし、特になかった。

そのあと、


ゲームマスター「皆様、就寝時刻となりました。」


と、声が聞こえた。俺は、その声や自らの思考から逃げるように、ベッドに潜り込んだ。


…。


木狩「…なんで、なんでこんなことに…。」


考えても分からない。どうして俺なのか。ここから出られるのか、そして、


俺は、本当に生きていけるのか。


全て分からない。俺はもう、思考を停止させた。そして、そのまま目を閉じた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


…ああ、そうか。俺は生き残らないと許されないのか。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


目を開けた。


木狩「夢?」


相当不気味な夢を見た。声だけの夢だった。それも、とても短い時間の。


俺はとりあえず、携帯を持ち、個室から出た。携帯を持ったのは念のためだ。

個室のドアの前から周りを見たが、どこがどうなっているのか分からなかった。するとそこには、


五月雨「やあ、木狩くん。おはよう。」


木狩「五月雨か。おはよう。」


五月雨「木狩くんは携帯のメールを見てくれたかな?」


木狩「…メール機能があるのか。」


俺は携帯を操作して、メールを確認した。


────────────────────


To:全員


From:五月雨


これから、起きたらロビーに集合しよう。集合は8時位に。

急だったから、遅れた人は起こしに行くね。


送.7:00


────────────────────


木狩「今って…、8時20分か…。」


五月雨「うん。だから、起こしに来たよ。」


木狩「…すまん。」


五月雨「いや、いいんだよ。それじゃあ行こうか。」


木狩「ああ…、あっ、これってこの施設の地図も載っているんだな。」


五月雨「そうみたいだね。どこに行けばいいか分からなくなったときは、それを確認した方がいいね。」


木狩「そうだな。」


こうして俺たちはロビーへ向かった。


…俺たちがロビーについたときにはすでにみんな集まっていた。


幕明「あっ、来た来た。」


黒山「これで、ほぼ全員じゃな。」


木狩「ほぼ…?」


辺りを見渡すと、一人いないことが確認できた。


木狩「あれ、にのまえは?」


最上「確かに呼んだんだけどな。来る気配はまるで無かった。」


五月雨「まあ、にのまえくんにはあとで伝えておくよ。」


宝井「集合した理由というのは?」


五月雨「うん、言わばと思ってくれていいよ。」


梶野「会議っすか?」


五月雨「会議ではこれからどうするかを話し合おうと思う。」


無藤「なるほどな。そうすれば誰かを一人で居させるという危険性も減るということか。それには賛成だ。」


複坂「じゃあ早速始めようか♪…その会議をさぁ。」



[1日目─会議開始─]


愛田「ええと、何から話そう?」


五月雨「じゃあ、まずは契約について。」


最上「…あの気味の悪いやつのことだな。」


黒山「ああ、ワシのは…」


五月雨「待って、実はそれについてなんだ。」


五月雨が話す前に、複坂が話した。


複坂「僕たちの中に居る裏切り者の目的が僕たちの破滅なら、契約を知られると僕たちにとって不利なんだ♪

それを利用されるくらいなら今、契約は言わないほうがいい…ってことかな?五月雨くん。」


五月雨「…そんなところだよ。」


幕明「なるほど。じゃあ教えないほうがいいね。」


梶野「じゃあ、次に探索について話したいっすね。」


五月雨「そうだね。基本的には地下室、個室以外のところで脱出の手がかりを探そう。そのほか、何か気付いたことがあればこの場で報告していこう。」


城松「他は何かあらへん?」


…。


無藤「…なさそうだな。」


宝井「それでしたら、会議を終えましょうか。」


[1日目─会議終了─]



五月雨「会議は終わったから、各自で探索をしよう。」


木狩「…俺も早速探索に行こう。」


と、探索に行こうとした時、


城松「ちょっと待ってくれへんか?みんなご飯はどうしたん?」


愛田「そういえば食べてない…!私、食事しないと生きれない体なんだ!」


最上「それは、ほとんどの生物に共通することだと思うぞ…。」


城松「ふっふっふ…。そう思て、ウチがちゃーんと、ご飯作ったで!」


宝井「本当ですか!?助かります。」


城松「すぐそこにある食堂に用意したで。冷めないうちに食べ。」


全員、城松に感謝して食堂で食事をした。


…。


五月雨「よし。ご飯も食べたし、改めて探索に行こう。」


そして全員、それぞれ散らばった。


木狩(俺も探索するか…。)


まず俺は、ここの食堂から探索を始めた。


食堂にはテーブルと椅子、奥には調理場があった。そして、調理場にはさらに奥に進むドアがあった。


木狩「行ってみるか。」


ドアを開けると、様々な食材が並んでいた。


愛田「凄い!色々な野菜が全部、適切な保管方法で…!」


城松「…こんだけ食材があれば料理のレパートリーが増えるな。」


木狩「…。」


どうやら、みんな自分の世界に入っているようだ。

俺は静かに他の所へ向かった。


次についたのは、様々な物が置かれている所だった。


木狩「…ここは、器具室?」


黒山「おう、木狩。ここ、本当に様々なジャンルの物が置かれてとるのう。」


宝井「日常品から武器まで…、少し怖いですね。」


木狩「…地下の攻略に役立つ物があれば立ち寄ることにしよう。それ以外のときは立ち寄らないほうが良さそうだ。」


俺はここを一通り見たあと、次の所へ向かった。


木狩「次はシャワー室か。」


そこはシャワー、トイレ、洗面所があった。…さすがに男女で分かれているが。


五月雨「…特に凶器のような物はないね。」


木狩「まあ、なんだかんだでよく使われる所だからな。凶器って、基本目立たない所に置くんじゃないか?」


五月雨「それもそうだね。念のため、一応女性のほうも…。」


木狩「入るのか!?」


五月雨「ふふっ、冗談だよ。」


木狩(五月雨なら本当にやりかねないかもな…。)



木狩(…一階はだいたいこんな感じか。)


他にもドアがあったがどれも鍵がかかっていたため、俺はとりあえず二階へ向かった。


俺がどこかの部屋に入る前に、最上の声が聞こえた。


最上「にのまえ、みんなと一緒に探索しよう。お前の視点からだと何か見えるかもしれない。」


一「…僕なんか、何の役にも立たないよ。」


最上「それはやってみないと分からないだろ?だからほら、出てきてくれ。」


…。


最上「駄目だったか…。説得というのも難しいものだな。」


俺は静かに最上を応援しつつ、次の所へ向かった。


そこは、ダーツやビリヤード、クレーンゲームまで揃っている、ゲームコーナーのような所だった。


複坂「うわー、また負けた!」


梶野「あはは、運がいいだけっすよ。」


木狩「二人は何を遊んでいるんだ?」


複坂「見て分からない?ポーカーだよ♪」


木狩「そうじゃなくて、探索は?」


梶野「自分もそう思ったんすけど、複坂さんがどうしてもって…。」


複坂「えー!?梶野さんだってノリノリだったじゃん!」


梶野「…木狩さん、ここは目立つ物はなかったっすよ。至って普通のゲームコーナーだったっす。」


複坂「話をそらさないでよー!」


木狩「…そうか。」


俺は梶野の言葉を聞いて、他の所へ向かった。


そこは、様々な筋トレの器具が置いてある、トレーニングルームのような所だった。


幕明「ううっ、これ結構きついね…。」


無藤「…俺は運動はできないんだよ…。」


木狩「…なんで筋トレをしているんだ?」


幕明と無藤は器具から降りた。


幕明「こういう所入ったら、少しやってみようって思わない?」


木狩「まあ、分かることは分かるが…。」


無藤「俺に至ってはただの道連れだ。やりたくはないのだがな。」


木狩「…探索は?」


幕明「してみたけど、特になかったって感じだよ。」


無藤「本当に残念だな。なにか見つかれば手がかりになると思ったのだが…。」


木狩「…分かった、ありがとう。」



木狩(…二階はだいたいこんな感じか。)


他の所は一階と同じく、鍵がかかっていた。


俺は念のため携帯を確認すると、メールが届いていた。


────────────────────


To:五月雨


From:全員


探索が一通り終わった人は食堂に集まって。どちらにせよ、もうすぐ昼食だけれどね。


送,11:45


────────────────────


木狩「…行くか。」


探索も終えたため、俺は早速食堂に向かうことにした。

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