第3話

いつもの細長いものが見える。


奥にあるものは半ば壁と同化しているような感じでわずかにぼんやりとしたシルエットが確認できるだけだが、一番窓に近いものは、ある程度見ることが出来たのだ。


――人形?


それは最初、マネキン人形かと思った。


日の光がわずかに当たる下半身しか見えなかったが、それでも裸の女性が立っているものだということはわかった。


生きた人間ではない。


何故なら全く動かないのだから。


それはこちらに背を向けているため、お尻のあたりがうっすらと、足の部分はそれよりかははっきりと見ることが出来た。


しかし人形の類には違いないようだが、見れば見るほどマネキンではないと思えてきた。


まず肌の色がまだらに黒ずんでいて、マネキンの白い肌とはまるで違う。


そして肌は黒ずんでいるだけではなく、大きなしわがいくつもあるのだ。


つるつるのマネキンの肌とは間逆の印象を受ける。


ただこれが裸体の女性の人形であることは間違いがないようだ。


人形と認識できるほどに見えたものは一体だけだが、奥に同じように立っているものも、同様のものと考えていいだろう。


――それにしても……。


裸体の女性の人形をいくつも山小屋の中に置いているなんて。

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