第2話
しかし先週ここを通ったときは山道からよく見えるこの窓のカーテンはしっかりと閉まっていたので、その後誰かがこの小屋に入ったことは確かなようだ。
しばらく見ていたがやはりよくはわからないし、この小屋の所有者がやってきてこんなところを見られたらややこしいことになりそうなので、俺は小屋を後にした。
それから数ヶ月ほど経ったある日、小屋の前を通ると、今度は北側の窓のカーテンが少し開いていることに気がついた。
今回も回りに気を使いつつ、小屋に近づいた。
この窓は北側にあるために、前回の東側の窓よりも日が差し込んでいなかった。
ただカーテンのすき間は東側のときよりも広く、その分範囲的には前よりもよく見えた。
ただ範囲が広くなったからと言って、ばっちりと見えるわけではない。
やはり暗いのだ。
暗い中我慢して見続けていると、そのうちに目が慣れてきて、先ほどよりは見えるようになってきた。
中にはやはり細長い何かがあった。
東側から見たときはそれを二つほど確認したが、今見たところ実際はそれよりは多いようだ。
ただそれは窓の近くには一つもなく、どちらかと言えば南側に固まっているので、余計に確認が難しかった。
粘ってはみたものの、結局それがなんであるかわからかった。
あれから一ヶ月ほどが過ぎたころ、山小屋の前を通ると今度は東側の窓のカーテンが、前回よりも開いていることに気がついた。
はやる心を抑えつつ、やはりあたりに気を配りながら窓に近づいた。
中を見ると、隙間の広さも光量も前回を上回っていた。
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