第30話 僕の股間に割れ目が…

 僕が自分の部屋に戻り入浴の準備をしていると、ドアがノックされた。


「姉ちゃん…いいかな?」


 悠斗の声だ…僕の事を姉ちゃんって呼んだ…。


「何?」


 僕の部屋のドアを生まれて初めてノックした悠斗が部屋に入ってきた。


「もう、胸は触らせないよ」


「違うよ…でも…昨日、俺におっぱいを触られた時、姉ちゃん感じてたよね?」


 えっ! 


「その後、部屋でオナニーしてただろ…」


 えっ!喘ぎ声を聞かれてた?


「ベッドで裸になってしてるのを見たよ」


 えっ!オナニーをしてる時に部屋に入って来たの…全然、気づかなかった…。


 昨日の僕はオナニーの気持ち良さで失神していた…その時に見られたのか…。


「母さんには黙っててやるから…」


 悠斗はそう言うと、ハーフパンツ脱ぎ


「手でしてくれよ…」と言った。


 はっ?


 悠斗のボクサーブリーフには、勃起したペニスの形がはっきりと浮き出ていた。


 う~ん…どうしよう…別に母さんにチクられても僕は困らないし、けど、ここで拒めば、思い詰めた表情の弟が何をするか分からない…。


「別に母さんに言ってもいいよ、この事を言うだけだから」


 悠斗は驚きの表情を浮かべた。


「だって…姉ちゃんが、下着とか裸とかを見せてくるから…」


 悠斗は泣きそうな表情で反論した。


「だったら、素直にお願いしなさいよ」


「えっ、お願いしたらしてくれるの?」


「しないけど、まあ、時と場合によっては…」


「じゃあ…お願いします!」


 形勢が逆転した…弟のおちんちんは何度も見てるし、別にいいか…。


 僕はベッドに腰掛けて

「じゃあ、パンツを脱いで、そこに立って」

と言って、悠斗をベッドの横に立たせた。


 えっ!何これ!僕のと全然違う!


 僕のアソコは勃起しても、こんなに上を向いていない…それに、おちんちんの付け根の位置も違う…僕のはもっと下…というか後ろについてる…。


 ボクサーブリーフを脱いだ悠斗の股間には、ギンギンに勃起したペニスがそそり立っていた。


 弟の勃起したアソコを見るのは初めてだ…と言うか、他人の勃起した物を生で見る事自体が初めてだ。


 禍々まがまがしい見た目だ…まるで武器のような印象で、何かを発散している…獣の匂い?


 悠斗のペニスと比較すると、僕のは無機質で弱々しい感じがする。


「手ですればいいの?」


 僕は悠斗の勃起したペニスを触った。


 熱い!…それに硬い!…亀頭が綺麗なピンク色で痛そう…それに仮性包茎なんだ…。


 僕が悠斗の亀頭の皮を捲ると、悠斗は反射的に腰を引いた。


 まだ、敏感で痛いんだ…でも、中二なのに僕のよりも大きい…一応、綺麗に洗ってある…。


 悠斗のカリは湿っていたが、恥垢がない状態だった。


 凄い!ここは大人だ…それに金玉も僕の三倍以上の大きさがある。


 僕が弟のペニスの裏を撫でると、弟のペニスは露出していない股の下まで硬くなっていて、肛門の辺りから一本の太い棒状になっている事が分かった。


 ここも、僕と違う…僕のはもっと平べったい感じだ。


 あっ、亀頭の割れ目から透明な体液が染み出してきた…軽く触っただけで興奮しているんだ。


 僕は悠斗のペニスから出た体液を彼の亀頭に塗り、本格的にペニスを扱く事にした。


 あれっ、どうやって握ったらいいんだろう…自分でする時と握り方が逆になる。


 どうしよう…。


「やり難いから、ここに座って…」


 僕はベッドに深く座り直し、股の間に悠斗を座らせた。


 悠斗は驚いた表情をしたが、素直に従った。


 僕は悠斗を背中から抱きしめるような体勢になると、彼のペニスを握り直した。


 この姿勢の方が、しっくり来る。


 僕がいつもの手つきで悠斗のペニスを扱くと悠斗は

「ダメ!出そう!」

と言って、体を硬直させた。


 えっ、もう逝くの?


 僕は慌ててティッシュを取って、弟のペニスの前にかざした。


 すると、悠斗のペニスが更に膨張すると、僕が左手で持っているティッシュに精液が飛び出した。


 何!これ!濃い…僕のと全然違う…えっ…臭い…これが本物の精液の匂いなの…。


 僕の右手の中で悠斗のペニスは痙攣を繰り返し、ドクドクと精液を出し続けた。


 やっぱり、全然違う…量も多いし、何より精液の濃さが違う…ドロドロとした真っ白な塊がある…僕の精液は、もっと透明でサラサラしてるのに…。


「あっ、ごめん…」


 賢者に戻った悠斗は、僕の手を振り解き、ベッドから立ち上がるとパンツを穿いて部屋から逃げるように出て行った。


 やっぱり僕は異常なのかもしれない…本物の男とは全然違う…。


 僕はティッシュに残った悠斗の精液を確認した。


 これは生き物だ…これに比べたら僕の精液は単なる液体だ…臭い…イカみたいな匂いがする…。


 僕は悠斗の精液の溜まったティッシュを一階のトイレに流した。


 まだ、手に匂いが残ってる…これが男の匂い…。


 僕は洗面所で手を洗った。


 僕が女性化してるのは、おっぱいだけじゃない…性器も確実に女性化している。


 確認しないと…。


 僕は部屋に戻ってウィッグを外すと、替えの下着とメイク落としを持って浴室に向かった。


 メイクは綺麗に落とさないとダメって皆が口を揃えて言ってたな…。


 僕は浴室に入ると、まずメイクを落とす事にした。


 メイク落としってオイルなんだ…油で化粧が落ちるのかな?…凄い!…ヌルヌルした感じからサラサラに変わった!


 なるほど、メイクを乳化させてるんだ。


 化粧品って化学の原理を応用して作られているんだ…パッケージは馬鹿みたいだけど、作っている人は頭が良いんだろうな。


 うん!綺麗に落ちた。


 僕は体と頭を洗って浴槽に浸かった。


 新しいシャンプーもボディソープも女物だから、洗浄力が弱い感じがするな…綺麗に洗えているのかな。


 あっ、そんな事より性器を確認しないと…。


 僕は浴槽の中で自分の股間を触ってみた。


 触った感じは、やっぱり悠斗より平べったい感じだ…あれっ、指が入る!…何だこれ…。


 股の下のペニスの付け根を中指で上下に摩っていると、僕の指が体内にめり込んだ。


 何だこれ?おちんちんの付け根が左右に割れてる?


 ここが、小嶋先輩の言っていた金玉を押し込む場所なのかな?


 僕は浴槽の中で、自分の精巣を体内に押し込んでみた。


 すると、僕の精巣はツルンと体内に入って行った。


 何だ!これ!簡単に入った!


 タックで金玉を収納する場所って、ここで良いの?


 そうか…僕の精巣は普通の男性よりも小さかったんだ。


 僕は自分の男性器がタックに向いている事を知った。


 でも、こんなに簡単に入るんだ…えっ!金玉の皮まで入っていく!


 僕の陰嚢は完全に体内に収まっていた!


 えっ!どうなってるの?


 僕は浴槽を出て、スタンドミラーを手に取り、自分の股間を映してみた。


 何だ!これ!金玉がなくなってる!しかもオマンコみたいな割れ目が出来てる!


 えー!?


 僕は自分の股間を詳しく見る為に、スタンドミラーを浴室の床に置いてM字開脚の姿勢で座った。


 すると、僕の割れ目の中から「じわーっ」と陰嚢が出てきて、股間が普通の男の状態に戻った。


 僕はもう一度、陰嚢を体内に押し込んでみた。


 簡単に体内に入っていく…それに、特に痛みを感じない…。


 僕が持ち上げていたペニスを離すと、ペニスが割れ目を塞ぐように垂れ下がってきた。


 もしかしたら、おちんちんも入るかも?


 僕が根元で折り畳んだペニスを割れ目に押し込むと、ペニスは割れ目の中にすっぽりと納まった!


 えっ!これは絶対に変だ!普通の男の股間じゃない!


 うっ!痛い!何!…今朝と同じ痛みだ…。


 僕の下腹部から鋭い痛みがした。


 何だこれ…痛い…ダメだ…。


 僕は痛みに耐えられず割れ目からペニスを出すと陰嚢もはみ出してきた。


 少し痛みが和らいだ…でも、まだ痛い…。


 どうしよう?…誰に相談したらいいんだ?


 取り合えず、母に相談するしかないか…いや、男性器の相談を母にするのも変だ。


 と言って、父に相談するのも恥ずかしいし…。


 今朝は直ぐに痛みが引いたし、暫くこのまま様子を見よう…。


 僕は股間を締め付けないように、ガードルを穿く事をやめ、パイル地のショートパンツを直に穿いた。


 トランクスみたいで、懐かしい履き心地だ…。

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