つれづれなるままに異世界。
がとねぐろ
第1章
第1話
こんにちわ~ いつも読んでるだけなので、ちょっと自分も書いてみるかぁにゃ~と思って書き始めたけど、これ大変にゃ……。
とりあえず、ちゃんと推敲してないので誤字脱字誤用など、ご指摘よろしくですのにゃ~、続きはみんなの反応を見て書くかどうか決めよう。
うん、そうしよう~(ΦωΦ)ノ
*************************************
ものすごく焦っていた。
何しろこの世に生を受け26年(童貞として)生きてきて、ここまでのピンチは未だかつて経験したことがなかったのだ。
彼のまわりには無数のスライム(超初級魔物)が溢れ返り足の踏み場もないどころか巨大な壁のようにせり上がり隆を押し包もうとしていた。
「まずい、どうしたらいいんだ……ぬぬぬ、そうだっ! こんな時はとりあえず寝て、そしてもう一度目を覚まそう!!」
現実逃避で何とかなる状況ではなかった。
「いやだ! このまま(童貞のまま)死んでたまるかっ!」
黒髪、黒い瞳の典型的日本人で、体形もまたそこそことしか言えないものではあるが、身長170cm、やや細身なしなやかな体躯に、手足もそこそこ長くひょろっとした印象の割に、十分鍛えられた所謂細マッチョ体形で、インドア派なため色白の割に健康的な男であった。
そんなそこそこな男ではあったが何故か顔は老若男女100人が100人ともが、お人形さん? ホントは女の子? と言いそうなくらい整った(本人は嫌っていたが)女顔ベイビーフェイスの童貞男子であった。
一説によると、そんな容姿に対するコンプレックスが隆が今だ童貞な理由だったりするのかもしれなかった。(南無南無……)
そんな彼が何故こんなピンチに陥っているのかというと、話は一週間前の休日、土曜日の朝にさかのぼる。
その日、仕事が休みの隆は自宅で惰眠をむさぼりつつ昼近くにごそごそと起き出して、のんびりとテレビを見ながらブランチを摂り、普段通りのニュース番組をチェックしてから、最近ハマっている新作ファンタジーRPGを起動する準備をしていた。
「コントローラー、寿命か? ……」
隆は手元のちょっと薄汚れたゲームコントローラーを見ながらつぶやいた。
ソフトはともかく、ハードは既に5年落ちの年代物、そのコントローラーともなると、色々なところにガタが来ていてボタンを押しても無反応とか、勝手にキャラクターが武器を構えて横回転移動を始めるとか、ちょっとゲームに支障のある挙動が目立ち始めていた。
そして、ついに先ほどスタートボタンを何度押しても何も反応しないまでに悪化したのだった。
「仕方がないな、コントローラー買いに行くか……」
駅前の家電量販店へ向かうため身なりを整えお財布代わりのスマホをポケットに突っ込みアパートの扉を開け外に出た隆は玄関に鍵をかけるべくポケットから鍵を取り出そうとした姿勢のまま固まった。
「えっ? あれっ? んぇっ??」思わず変な声が出るほど固まった。
目の前にはあるはずの駐輪スペースが消え去り、鬱蒼とした森が広がっていたのだった。
呆然としたまま固まっていた隆だったが、我に返ってドアを後ろ手に探って更に驚愕した。
ドアが無かった。
それどころかアパートも無かった。
「まじか……、なんだこれ? 超魔術? 世界転移? 玄関開けただけで? なんの違和感も感じなかったぞ? あり得ないだろ?」
何を言っても状況は変わらなかった。
辺りはうっそうとした森とゆうかジャングルで、見たこともない植物が生えていたし、なんかよく判らない虫も植物にかじりついていた。
「と、とにかく冷静になるんだ」
「ここが異世界ならお約束のあれがあるはず!」
隆は精神統一の要領で集中して叫んだ。
「ステータス!」
「オープン!」
その他、思いつく限りの色々を試してみたが何も起きなかった。
「おー、ステータス無い系の異世界か…」
ちょっと赤面しながら隆は
隆は独り言の多い男だった。
「というか、異世界と決まった訳ではないな……」
「ふっ、自分も修行が足りんな、ハハハハハッ……」
どう見ても異世界だった。
あんな植物地球には無いし、あんな変な虫も地球産とは思えなかった。
「とにかく冷静になるためにも、判るところからの確認だな!」
まずは服装、そう、駅前とはいえチャリで5分の距離ということで、衣料品量販店<ムニクル>の紺のスエット上下装備だった。
しかし、足元は有名スポーツ衣料メーカー<アリデス>の、そこそこ頑丈なトレッキングシューズだったのは、この森の中という状況に運よく最適なチョイスだった。
ポケットには家とチャリの鍵、ペーパードライバーだが身分証代わりの運転免許証とポイントカード類、そしてスマホ。
「うん、靴以外見事にサバイバル不可能な装備だな……」
スマホは当然全く拾わない電波を確認後、節約の為すぐに電源を落とした。
「さて、定石から云えば次は現在地の確認だが……森だな」
東西南北どちらを見回しても見事な森としか言い様がなかった。
途方に暮れる
「おっ、第一村人発見か?」
そのまま待っているとガサガサと藪をかき分けるように姿を現したのは、ゴブリンだった。
いや、ゴブリンなんて見たことがないが、ゴブリンとしか言いようのない生き物が2~3m先のところに佇みこちらを凝視していた。
暫く無言で見つめ合う事になったが、当たり前だが愛は芽生えなかった。
沈黙に耐えかねた
「やぁ、いい天気だなー、調子はどうだ? ところで、俺の言葉は判るか?」
それを見たゴブリンは思った。
森の中、武器も持たずに動ける人間。
服装は変だが魔法使いだ、と。
その証拠に牙を剥き(隆は笑っただけ)、手を上げ、呪文を唱えだした!
魔力の高まりは感じないが、このままでは
「ウギャー!!」
奇声を発したゴブリンは、錆びた剣を振りかぶって襲い掛かってきた。
「おぃ! お前っ! いきなりはないんじゃないかっ!」
ゴブリンにとっては、先に攻撃を仕掛けてきたのは
慌てた
当たり前だがここは森の中、足元も見ずに下がれば当然足を木の根に引っ掛けるのは火を見るより明らか。
が、豪快に行ったのが良かった。
左足の踵が木の根に引っ掛かったため、右足を大きく振り上げることになり、突っ込んでくるゴブリンのあご先を掠めて脳震盪を起こさせ、ついでに振り下ろそうとしていた剣の塚頭を、思いっきり蹴り上げることとなった。
剣は回転しながら上空に舞い上がり、そのまま落ちてきて、脳震盪でフラフラなゴブリンの脳天から延髄に掛けて、見事に突き刺さった。
<ピロリロリンッ♪><レベルが上がりました>
頭の中で響き渡るどこかで聞いたことのあるチャイムとナレーション。
「やっぱ、ステータスとかあるんじゃん……」
その場に倒れ、空を見上げたまま
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます