第22話トシ

年をとると言う。

子供の頃は年を取るのが嬉しかったのに

大人になると、素直に喜べなくなる…

「若いのにしっかりしてる」から

「大人なのに頼りない」に変わってゆく。

ヒタヒタと聞こえてくる老化の足音…



子供の頃は20歳なんて、すごく大人だと思ったけど、いざ迎えるとやっぱり子供で

その後、いくつ年を重ねても違和感がある。

世の中に、大人って何人いるんだろうね。



ある落語家が言った

「年はとるものではなく、頂くものです」

一年元気に過ごせたから

また一年、年を頂ける。

ありがたいものなんだと。

なるほど、そうか。目から鱗だ。


「やだねー、年はとりたくない。

年をとって、こんな思いをするとは思わなかった。あぁ、やだやだ」

そうですね

あなたのような年ならとりたくない。



どんな金持ちにも、美人にも

平等に訪れる寄る年波。

年をとるのか、頂くのか。

自分次第だな。





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