――作品紹介―― 1番じゃなければダメなんですか?
カズミ「じゃあヨゾラさん、この紙に書いてある言葉を言ってくれないかな?」
ヨゾラ「この紙の? なんで?」
カズミ「特に理由はないけど、楽しいから」
ヨゾラ「楽しいのか」
カズミ「じゃあ読んでみよう。どうぞ」
ヨゾラ「ねこです、よろしくおねがいします」
カズミ「満足した!」
エル「何をやってんだ何を……せっかく来てくれたゲスト相手に」
ヨゾラ「ねこはいます。よろしくおねがいします」
奏「そうですね、これはねこです、よろしくおねがいします」
ヒュパティア「あんたも悪乗りしない。記憶処理するわよ」
(スタッフの笑い声)
――――今回のゲスト!――――
カズミ「記念すべき第一回目のゲストとして、第1回目で紹介した
『ヨゾラとひとつ空ゆけば』から、黒猫のヨゾラさんが来てくれました」
ヨゾラ「あたしはヨゾラ。ねこです、よろしくおねがいします」
エル「いや、それはもういいから……」
ヨゾラ「といっても、あたしはアルルと一緒にあっち行ったりこっち行ったりしてるだけだけど」
奏「アルルさんというのは、あなたの飼い主さんですね」
ヨゾラ「失礼な。あたしはペットでも使い魔でもないよ。むしろあたしがアルルの飼い主だし」
ヒュパティア「…………世の中の飼い猫も、案外こんな考えで生きてそうで、とても興味深いわね。そんなわけで、記念すべき初ゲストであるお猫様を交えて、今回の作品紹介いってみましょうか」
――――今回のテーマ――――
『七つの鍵の物語【悪徳貴族】~ぼっちでもやしな僕の異世界領地改革~』
上野文 様:著
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881554489
ヨゾラ「題名長っ!」
エル「今までいろいろ作品を紹介してきたが、ここに来てようやくこの界隈の主流である『転生モノ』がきたか」
カズミ「この作品と、作者の上野文様とは、別サイトからの長い付き合いなんだよね。作者も、この作品が連載した当初から愛読していて、今ではすっかりヘビーユーザーを自称しているくらい」
ヨゾラ「そーなのかー。大体どれくらいから続いてるの?」
奏「ちょうど4年前の今頃ですね…………。更新履歴を確認しましたら、2014年から連載していまして、すでに通算200話を突破していますね」
ヨゾラ「はぇ~、あたしより長生きなのかも。それだけ続くってことは、それなりに面白いのかな?」
エル「面白いも何も、この作品はまさに異世界転生モノの王道中の王道だ」
カズミ「僕が出演していた作品も、同じくらいの時期から連載していたから、凄く印象に残っているよ」
ヒュパティア「初めて読んだ時は、世界観が独特でちょっと戸惑ったけれど、この作品は言ってみれば「魔法文明が現代化した世界」なの。主人公の
カズミ「転生した先は、悪代官が民衆を虐げ、暴動やテロが日常茶飯事の修羅の国。おまけに蔵人君は、その悪代官……いや、悪徳領主のクローディアス・レーベンヒェルムと入れ替わってしまうんだ」
エル「正確には、元のクローディアス・レーベンヒェルムに憑依したのではなく、その悪徳領主が死んだから、彼が契約していた悪魔『ファブニル』に影武者に仕立て上げられたというわけだ」
ヨゾラ「みんな詳しいのね」
奏「それはまあ、カズミさんとヒュパティアさんにとっては、クロードさんは親戚の甥っ子のような存在ですし」
ヨゾラ「それで、悪徳領主になっちゃったクローディアスは、どうなるの? やっぱり心を入れ替えたってことで、心機一転いい領主様として、いいくにつくろうナントカカントカするのかな?」
ヒュパティア「と、思うかもしれないけれど、何しろ彼の後ろについているのは『悪魔』。これがまあとんでもない悪辣な存在で、クロード君が苦痛と絶望に歪むのを楽しむために、色々と妨害してくるわけよ」
カズミ「そんな悪魔『ファブニル』の妨害をはねのけて、最終的にファブニルを打倒することが、この物語の目標ってわけさ」
ヨゾラ「なるほどね~。そのファブニルって、そんなに強いの」
奏「おそらくエルさんでも骨が折れる相手ですね」
ヨゾラ「エルって、この金髪のお兄さん?」
ヒュパティア「あら、エルが男だってわかるのね」
エル「嬉しいことを言ってくれるじゃないか。モンプチ買ってやろう♪」
ヨゾラ「でもなんで女の子みたいな格好してるの?」
エル「これはまあ……いろいろと事情があるんだ。俺のことはどうでもいい、話を進めるぞ。この作品には、転生モノで面白いと思う要素がほぼまんべんなく詰まっていて、そのどれもが絶妙なバランスで物語を組み立てているのが素晴らしいところだな」
ヨゾラ「転生モノの要素って?」
奏「そうね、大まかに分けて「先行知識による内政」「強くてニューゲーム」「異世界での出会い」の三本柱かしら」
ヒュパティア「これに関してはいろいろと批判もあるし、アンチテーゼも数えきれないくらいあるけれど、なんだかんだ言って「夢物語」こそ王道なのよ」
ヨゾラ「お宅の主人公さんたちも、何人か異世界転生してる人たちがいるよね。それと何が違うんだろう」
カズミ「それはたぶん僕と、奏さんの育てた道重開君のことだね。僕の物語は休載中でカクヨムには載せてないけど、どれかというと「内政」を焦点に当ててるんだ」
奏「開は今のところ「アンチ」強くてニューゲームかしら」
エル「ただしクロード君は、初めのうちは強いと言っても、ファブニルの力を借りなければ何もできない一般市民同然だったな」
ヒュパティア「特殊な事情があるとはいえ、ダンジョンのスライムにも歯が立たなかったし」
カズミ「それが最新は付近(216話現在)では、一人で大立ち回りできるくらい強くなっちゃって。強くてかわいい女の子も沢山仲間になったし、ボロボロだった領土もだいぶ育ってきた。シミュレーションゲーム好きにはたまらないね」
ヨゾラ「初めは弱かったのが、だんだん強くなるって、確かにワクワクするかも! あたしもね、アルルと一緒に過ごしてると、時々思うの。アルルってこんなに強かったっけ? ってね。それと同じだ」
奏「ずっと長く読んでいると、まるで自分の子供か、相棒か、のように感じてしまいますよね」
ヒュパティア「昔から少年漫画の鉄則は「友情・努力・勝利」だったけど、この作品はそれにも当てはまっているから、面白いのかもしれないわね」
エル「あと、忘れてはいけないのが、この作品は『七つの鍵の物語』シリーズのうちの1つということだ。うちの作者も、世界観を作りこむ方だが、上野文様と比べると足下にすら及ばん」
奏「物語に至るまでの歴史や、魔法器具が発達している根源的な理由、果ては主人公が転生する前の学校での周囲との関係まで、ほぼすべて完璧に整っているのですから」
ヨゾラ「友情! 努力! 勝利! なんだかかっこいい!」
カズミ「まあ、実際やってる本人はたまったものじゃないだろうけど。活躍するのは主人公の特権だけど、つらいこともそれ以上にのしかかってくるものだよ」
エル「まさに経験者は語る、だな。お前も苦労してるよな」
ヨゾラ「ドラゴンなのに?」
ヒュパティア「世界広しと言えども、いつも食べ物の心配をしている竜は、この子くらいのものよ」
(スタッフの笑い声)
カズミ「あのね、僕は僕で国民を飢えさせないために手いっぱいなんだから」
ヨゾラ「お腹がすくのは、たしかにやだよね」
奏「あなたたち二人みたいに、自分たちだけで生活しているなら、自分たちの明日のことだけを考えれば十分です。ところが、主人公のクロード君はあくまで「領主」という立場なんですね」
エル「これがまた厄介なところでな。「領主」というのは企業でいうところの「支社長」のようなものだ。配下の人々の全責任を負わなければならないが、上からの命令もほぼ絶対服従しなければならん」
ヨゾラ「じゃあ、上の人が下の人に無茶な命令を出したら大変だ」
ヒュパティア「いつも周りに振り回されて、なかなかやりたいことができないのも、この作品の肝よね」
ヨゾラ「うへぇ。あたし、猫で本当に良かった。人間ってやっぱメンドクサイ」
奏「その点、此処の人間メンバーは比較的自由に生きてますわ」
エル「逆に竜の方がいろいろ行動を制限されていたりする不思議」
カズミ「ぐぬぬ…………」
ヒュパティア「あとはそうね。この作品は確かに王道なんだけれど、ほかの作品にはない特色として「時事ネタ」や「歴史ネタ」が多数含まれているわ」
ヨゾラ「あたしはあんまりそっちの歴史のこと知らないけど、大丈夫なの?」
エル「歴史にあまり詳しくない方でも、そこまでコアなネタはないし、時々読んでて勉強になることも多い。政治ネタは……まあそんなものだろうと思ってもらえればいい」
ヒュパティア「物語に出てくる国々は、現代の国々をモデルにしているわ。それがかえって世界観がわかりやすくなっているのかもね。ただ、作者は途中まで主人公国のモデルの国を勘違いしていたけれど」
カズミ「というわけで、今回の作品紹介はここまで」
ヨゾラ「お疲れ様ー」
エル「初めてのゲストがまさかの猫だったのには驚いたが、これはこれで楽しかったぞ」
奏「うちでも猫を飼おうかな?」
ヨゾラ「だからあたしはペットじゃないってば。あたしは飼い主なんだ」
ヒュパティア「ふぅん、どうしてそう思うのかしら? 後学のために理由を聞いてもいいかしら」
ヨゾラ「アルルはあたしの言うことをよく聞くし、エサもくれる。つまりあたしの方が立場は上。いいね」
カズミ「アッハイ」
奏「以上、ねこでした、よろしくおねがいします」
※作者注:
帆多 丁 様、キャラクター提供ありがとうございました♪
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